ゲイまたはバイセクシャルの性行為に伴う、性感染症に注意!

2017/3/14 記事改定日: 2017/9/1
記事改定回数:4回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

同じ性別の人との性行為をしても、性感染症(STD)に感染します。
最近の統計では、梅毒と淋病の両方が増加していることがわかりました。ある調査では、2015年に新たに淋病に感染した人のうち、70%以上が男性との性的交渉を持つ男性だったことがわかっています。この記事では男性同士の性行為を行う人が、かかりやすい性感染症について詳しくみていきたいと思います。

同性愛者の性感染症

性行為でコンドームをつけずに性器を挿入すると、性感染症にかかる可能性が高くなります。ゲイとバイセクシャルの男性で、妊娠の可能性がないからとコンドームをつけずに性行為をした方は、早めに医療機関に行き、性感染症の診察・検査を受けましょう。自覚症状のない性感染症もあります。そういった場合は、気付かないままにパートナーに性感染症をうつし、感染を拡大させてしまう原因になります。

A型肝炎

A型肝炎ウイルスによって引き起こされる、肝炎の一種です。A型肝炎ウイルスは糞便中に含まれています。ウイルスが付着した食べ物や、手を十分に洗わないことが原因で感染する事が多いです。特に発展途上国の上下水や川を通じて、飲水や食べ物にA型肝炎ウイルスが混入して、感染します。

また男性同性愛者に多いことでも知られています。リミング(肛門を口や舌でなめる行為)やアナルセックス後のオーラルセックスなどの性行為によっても感染します。性的パートナーが複数いるゲイやバイセクシャルの男性は特に注意が必要です。
疲労感や吐き気といったA型肝炎の症状は、性行為をした後3-6週間以内に出ることが多いです。しかし、A型肝炎は命にかかわることは少ないのですが、症状は強いことが多いです。感染した人のほとんどは2、3ヵ月以内に回復します。

またB型肝炎やC型肝炎と違って、その後に慢性肝炎になってしまうことはなく、また肝臓癌との関係性も薄いです。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスによって引き起こされる、肝炎の一種です。感染してすぐに症状が出る急性肝炎の後に、はっきりとした症状はないまま慢性的に感染し続けてしまうことがあります。それが、肝硬変や肝臓がんになるリスクを高めます。

B型肝炎は、感染者の血液や体液に接触することで感染します。ゲイやバイセクシャルなど、同性間の性行為を行う人はB型肝炎にかかるリスクがありますが、B型肝炎ワクチンで予防することができます。

C型肝炎

C型肝炎ウイルスによって引き起こされる、肝炎の一種です。B型肝炎と同じように、肝硬変や肝臓癌など、重大な肝臓疾患を引き起こしてしまうことがあります。C型肝炎は、感染者の血液や体液に接触することで感染します。

A型肝炎やB型肝炎に比べると、C型肝炎はゲイやバイセクシャルの方の性行為による感染は少ないです。治療が可能であり、多くの場合回復します。

淋病

細菌性の感染症で、排尿時に刺すような痛みがある、または排尿が困難になってしまいます。男女ともに多い性感染症の一つです。ゲイやバイセクシャルなど、同性間での性行為(アナルセックス、オーラルセックス)も感染の原因となります。抗生物質よって治療します。

またクラミジア尿道炎と淋菌性尿道炎は一緒にかかりやすいことが知られています。

非淋菌性尿道炎

細菌によって引き起こされる尿道の炎症で、淋菌によらないものを非淋菌性尿道炎と呼びます。尿道の炎症が淋菌によるものではないとき、非淋菌性尿道炎(NGU)とも呼ばれます。

また、性行為や自慰行為をしすぎてしまった結果、尿道が炎症を起こすこともあります。注意しましょう。

クラミジア感染症

クラミジアは尿道や子宮だけでなく、喉にも感染する性感染症です。クラミジアが感染した部位によって、排尿時に電気が走るような痛みがあったり、のどが痛んだりします(症状がない場合もあります)。男女ともに多い性感染症の一つです。ゲイやバイセクシャルなど、同性間での性行為(アナルセックス、オーラルセックス)も感染の原因となります。抗生物質で治療します。

赤痢

赤痢アメーバと呼ばれる原虫が腸に感染することで、重度の下痢や胃痙攣(いけいれん)をおこします。食中毒とも間違われます。赤痢アメーバは糞便に含まれるため、ゲイやバイセクシャルの方では、アナルセックスやオーラルセックスなどの性行為で感染します。赤痢菌に感染した大便のほんの一部が口に入り込むだけで、感染します。長い場合1ヵ月間、他の人への感染する可能性があります。

性器ヘルペス

ウイルス性の感染症です。痛みを伴う水疱や、陰茎や肛門周囲の潰瘍ができることがありますが、症状が出ない場合もあります。ウイルスは体内に残り、再発する場合があります。
性器ヘルペスは口の中または周りにヘルペスがある人とオーラルセックスをしたり、性器ヘルペスにかかっている人と性器が密着することで感染します。治療には抗ウイルス剤を使用します。

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌による感染症です。痛みを伴わない潰瘍を引き起こすことが特徴的で、潰瘍は通常性器周辺にみられます。梅毒が進行するにつれて、全身の発疹や発熱、疲労感など全身症状が目立つようになってきます。

梅毒は初期の段階では非常に感染力が強く、性行為の際に感染者の皮膚に密着すると感染します。男女ともに見られる一般的な性感染症ですが、ゲイの方の間で流行してニュースになることもあります。

梅毒を治療ぜず数年間放置すると、脳や心臓に障害が広がり、回復できなくなることがあります。梅毒は抗生物質を注射したり錠剤で服用したりして治療します。初期段階で治療すれば治る病気です。

尖圭(せんけい)コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症です。ウイルスの型によっては、子宮頸癌の原因になることで有名です。また子宮頸癌ワクチンは、このヒトパピローマウイルスに対する免疫をつけることが目的です。感染者との性行為によって感染する、性感染症です。

ヒトパピローマウイルスは女性がかかるイメージがありますが、実は男性も尖圭コンジローマになります。ゲイやバイセクシャルで、コンドームを使わない性行為をする方は感染の可能性があります。

小さないぼが、陰茎の頭だけでなく肛門の周囲にできることがあります。治療が早ければ回復しやすくなります。これは凍結させたり、クリームを使ったりして除去します。

毛虱(ケジラミ)

体毛に住む小さな寄生虫で、最も多い性感染症です。
毛虱は小さいので、小さな黒い卵が体毛に付着しても見つけづらいです。衣服やタオル、寝具などでうつることもあり、かゆみやかぶれなどの症状が出ます。 薬局で売られているローションやクリームで治すことができます。

疥癬(かいせん)

皮膚の下にいる小さなダニが原因で起こる感染症です。激しい皮膚のかゆみを引き起こすことがほとんどです(かゆみに気づかない人もいます)。

感染者の肌と長時間触れ続けることで感染します。ベッドやタオルを共用して感染することはまれです。複数人での雑魚寝や、性行為相手と一緒に肌を重ねて寝ているときに感染すると考えられます。

異性間、ゲイなどの同性間性行為に関連して感染することもあり、性感染症の一つという位置づけではありますが、日本では施設に入っている高齢者に多いです。

治療はダニに効く内服薬や塗り薬が使われます。

おわりに:症状に心あたりがあれば早めの治療を

上記のような症状がある場合、または性感染症にかかっているような気がするという人は、診察を受けてください。 早期に治療することと、完治した後でも定期的に検査を受けることで、健康的な性生活を送ることができます。

宅配ドクター

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