記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/17
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
「差別されるのが怖いから、定期検診には行きたくない」
「男性とはセックスしないから性感染症の心配もないし、病院には行かない」
というレズビアンの女性は案外多いようです。
しかし、「レズビアンはストレートの人よりも発症しやすい病気がある」と聞いたら、あなたはどうしますか?
レズビアンの女性向けに、健康診断の重要性をまとめました。
「ゲイやレズビアンの人はストレートの人よりも定期的に検診を受けない傾向がある」という研究があります。
実際、さまざまな理由で健康診断を受けていないレズビアンの女性は多いと思いますが、 がんなどの病気は、レズビアンやストレートなど関係なく、誰もがかかる可能性があります。そして病気の種類によっては、早期発見と治療が欠かせません。
レズビアンの女性に特に気をつけてほしい病気を以下にまとめました。
ある研究によると、「レズビアンはストレートの女性よりも乳がんになりやすい傾向がある」そうです。
考えられる理由としては、
・出産率が低い
・太っている女性が多い
・飲酒することが多い
などがあります。
また、下記のような兆候は乳がんの前兆と考えられています。
当てはまる場合は、早めに病院を受診してください。
・腕を動かしたり乳房を持ち上げたりすると、乳房の輪郭や形状が変わる
・しわやくぼみができたり、感触が変わった
・片方の胸や脇の下に塊や肥厚した部分、肌のでこぼこがある(痛みはある場合もない場合もある)
・乳頭からの出血
・乳首の位置が変化した
・乳首の上や周辺に湿疹ができる
「レズビアンは子宮頸がんにならない」と聞いたことがあるかもしれませんが、それはウソです。確かに、子宮頸がんの原因の多くは異性間のセックスによるものですが、レズビアンもリスクは低いとはいえ子宮頸がんになる可能性があります。
定期的に子宮頚部塗抹(とまつ)標本検査をして早期に発見すれば、子宮頸がんは予防できるので、病院を受診するようにしてください。
うつ病は、すべての人にリスクがありますが、「ゲイやレズビアン、バイセクシャルの人のほうがより発症リスクが高い可能性がある」ということを示した研究があります。これには、同性愛が否定されたりいじめられたりすることが関連しているのではないかと考えられています。悩みがある場合は、医師のカウンセリングを受けることをおすすめします。
いかがでしょうか。レズビアンの女性だからこそ、発症リスクが高い病気も意外に存在します。乳がんは特に気をつけたい病気ですが、基本的にはどんな病気も早期に発見することが大切です。定期的に健康診断に足を運ぶようにしてください。