赤ちゃんが嘔吐した! ~嘔吐と脱水症状~

2017/4/10

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

赤ちゃんは、よく嘔吐(おうと)します。嘔吐の原因は、ウイルス、細菌、寄生虫、薬、または特定の病気によるものなど、さまざまです。消化しにくい食物やお菓子を食べ過ぎたり、生の肉や魚も嘔吐の原因となります。ここでは、赤ちゃんの嘔吐の対処法と、嘔吐を起こす病気について解説します。

赤ちゃんが嘔吐したときの対処法

赤ちゃんが嘔吐を繰り返した場合、失われた体液や電解質を補給する必要があります。
母乳を与えている場合は、それを続けてください。母乳には、脱水を防ぐために必要な体液と電解質が含まれています。
人工栄養の場合は、調合乳を乳糖フリーのものにするか、経口補水液(ORS)を与えてください。医師は、調合乳からORSに12〜24時間切り替えたあと、また調合乳に戻すように指示することもあります。

脱水症状の徴候

赤ちゃんが脱水症状を起こしたとき、泣いたり、気分が悪そうにしていたり、飲みものを与えるとしきりに飲みたがります。
脱水症状の徴候には、次のようなものがあります。
・尿がほとんど出ないか、尿の色が濃い
・排尿が少ない(1日6回以下または排尿しない時間が8時間以上続く)
・のどの渇き
・過敏性の腸
・いつもより食べる量が少ない
・体重減少
・口渇感
・泣いても涙が出ない
・1歳半未満の赤ちゃんでは、頭の上に沈んだ柔らかい斑点がみられる
・いつもよりも肌に弾力性がない
・眠気

嘔吐を起こす病気

感染性胃腸炎

ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスによって起こる感染性胃腸炎でも嘔吐します。これは、赤ちゃんや幼い子どもでよくみられます。
感染性胃腸炎は非常に感染力が強く、かんたんに人に伝染します。感染した人に直接さわってしまったり、表面にウイルスが付着した物に触れることで感染することがあります。軽度の症状としては、発熱、嘔吐、水様性の下痢、胃痛が挙げられます。
赤ちゃんや子どもでは、衰弱して大泣きすることもあります。より重い症状では、嘔吐や下痢による脱水症状が3〜8日間続きます。

ヒルシュスプルング病

赤ちゃんによくみられるヒルシュスプルング病は、嘔吐とともにおなかの張りが非常に強く、重い腸炎や腸に壊死や穿孔が起こって危険な状態となります。
ヒルシュスプルング病は、消化管の動きを制御する腸の神経節(ガングリオン)と呼ばれる神経細胞が生まれつきないために、便を体外に押し出すことができません。結果として、重度の便秘、さらには細菌感染症を発症することがあります。神経節細胞は、しばしば肛門付近の大腸の小さな部分から欠けたり、細胞が大腸の大部分から失われていることもあります。

おわりに:赤ちゃんが泣くには理由がある

赤ちゃんや小さい子どもは、具合が悪いと「泣く」ことでそれを表現します。夜間、休日なんて関係ありません。小さな赤ちゃんが嘔吐するのには何か原因があるのです。病院の診療時間外に、受診するか判断に困ったときは「子どもの救急電話相談 #8000」に相談しましょう。

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