甲状腺機能低下症

2017/3/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

概要

甲状腺は首の前部にあり、からだの代謝を制御するホルモンを作りますが、何らかの原因で十分なホルモンが産生されなくなることを甲状腺機能低下症といいます。幼児や思春期の子どもを含むだれでも発症することがありますが、特に50歳以上の女性では、男性よりも甲状腺機能低下症になる可能性が高くなっています。未治療のまま放置すると、肥満、関節痛、不妊症および心臓病を引き起こします。

症状

症状は、わずかな疲労からはじまり、ゆっくりと進行する傾向があります。

また、以下の症状がみられることがあります

・寒さに敏感に反応する
・便秘
・薄くて乾燥した肌
・かわいい顔
・しわがれ声
・血中コレステロール値上昇
・急激な体重増加
・筋肉の痛み、けいれん、圧痛またはこわばり
・関節の痛み、硬直または腫れ
・重度の月経痛
・うつ病
・目に見える甲状腺の拡大
・脆い髪と爪
・物忘れ

子どもでは、病気が進行するにつれて摂食障害を起こし、正常な成長、発育がないことがあり、便秘、筋緊張低下またはひどい眠気があらわれます。小児の甲状腺機能低下症は、以下のような身体的および精神遅滞につながる可能性があります。

・非常に遅い成長
・永久歯の成育の遅延
・思春期の遅れ
・精神発達の遅れ

原因

甲状腺機能低下症の最も一般的な原因は、慢性甲状腺炎(橋本病)と呼ばれる自己免疫疾患です。

甲状腺機能低下症を引き起こす主なものには、以下の要因があります。

・甲状腺機能亢進症の治療によって体内に甲状腺ホルモンが多すぎる
・先天性疾患
・下垂体障害
・妊娠
・ヨウ素欠乏
・自己免疫疾患の家族歴
・放射性ヨウ素または抗甲状腺薬で治療を受けている
・首や胸に放射線療法を受けている
・甲状腺手術を受けたことがある

予防

高齢女性や、妊娠または妊娠の可能性のある女性では、定期的な甲状腺機能低下症のスクリーニング検査が推奨されます。

治療

甲状腺機能低下症の治療薬は、レボチロキシンという甲状腺ホルモン製剤です。

過度の薬の服用は、甲状腺機能亢進症(過活動甲状腺疾患)と同様の症状をきたすことがあります。服薬にあたっては、医師の指示を守ってください。

いくつかの薬、サプリメント、食品は、からだに影響を及ぼすことがあります。多量の大豆製品、高繊維食、鉄サプリメント、カルシウムサプリメント、コレスチラミンや水酸化アルミニウム(一部の制酸薬に含まれている)などの薬を服用している場合は、医師に相談してください。

甲状腺機能低下症は、以下の病気を起こす可能性があります。

・甲状腺機能低下症
・心臓病のリスク上昇
・精神的健康問題
・粘液腫
・不妊症

医師に質問するための事項

・甲状腺機能低下症の原因は何ですか?
・私は橋本病ですか?
・血液検査の結果はどういう意味ですか?
・最もよい治療法は何ですか?
・甲状腺ホルモン製剤が必要ですか?副作用はありますか?
・甲状腺機能低下症は、長期にわたったり、緊急事態に陥ることがありますか?

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