記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
骨粗しょう症になると骨折リスクが高くなるといわれています。そこで今回は、骨粗しょう症予防の目安ともいえる骨密度の測定方法や検査結果の見方などをご紹介します。
骨密度とは、骨の強さを知るための代表的な指標です。若い人の骨密度の平均値を100%とし、自分の骨密度が何%かで表されます。「要注意」は骨密度が若い人の80%未満となった場合、70%以下の場合には「骨粗しょう症」とされます。一般的に骨密度は思春期になると増加し始め、20歳を迎える頃に最大となります。
また骨密度は40歳を過ぎると低下するだけでなく、女性の場合は更年期以降に女性ホルモンが減少するため、骨密度が低下しやすいといわれています。また骨粗しょう症と診断されると骨折リスクが高くなるため、50歳を超えたら定期的に骨密度を測定することが大切です。
骨密度の測定方法には、主に以下のようなものが挙げられます。
低エネルギーの異なる2種類のX線を前腕や背骨、太もものつけ根などに当て、骨を通過できないX線の量をみて測定する方法です。全身のほとんどの部位で測定することができるといわれています。また薬の治療効果を評価することにも使われ、最も信頼性の高い検査です。
かかとや脛の骨に超音波を当てて測定する方法です。X線を使わないため、妊娠中でも検査することができます。また骨粗しょう症の検診の際、骨折リスクなどのスクリーニングとして普及しているといわれています。
手のひらとアルミニウム板をレントゲンで同時に撮影し、アルミニウムと骨の濃淡を比較することで測定する方法です。DXA装置がない場合でも測定できるため、比較的よく使われていると考えられます。
検査方法によっては、精度に差が出てきます。最も精度の高い検査はDXA法ですが、放射線を用いた検査のため、場合によってはX線を使わない定量的超音波測定法が使われます。また、かかとでは誤差が出やすく、太もものつけ根や腰の骨などでは誤差があまり出ないなど、測定する部位によっても差がみられるといわれています。
検査結果の見方には、以下のようなものが考えられます。
「YAM(Young Adult Mean)」とは、若い人の骨密度の平均値を100%としたとき、自分の骨密度が何%かであるかを表した数値です。YAMが90%以上の場合は「異常なし」、80~90%未満の場合は「要指導」、80%未満の場合には「要精密検査」となります。またグラフ上でも、異常なしは緑色、要指導は黄色、要精密検査は赤色で示されます。またTスコアは、YAMと比較して自分の測定値がどの程度高いか、または低いかを表した数値です。「-1.5」の場合は、若い人の平均値と比べて1.5低いという結果となります。
同年齢の平均値と比較し、自分の測定値が何%かを示す数値です。またZスコアは同年齢の平均値と比較して、どの程度高いか、または低いかを表した数値です。「-0.5」の場合は、同年齢の平均値と比べて0.5低いという結果となります。
骨密度は年齢が上がるほど低下するといわれています。特に女性は女性ホルモンの関係で低下しやすいため、定期的に検査を受けるなどして自分の骨密度を知るようにしましょう。