バリウム検査の後に副作用が出ることがあるって本当?

2019/9/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

バリウム検査は、企業の健康診断などでも広く取り入れられている一般的な検査です。しかし、このときに飲むバリウムも薬剤である以上、体質によってはアレルギー症状や何らかの副作用を起こしてしまう人もいます。

バリウム検査の後に起こる副作用やその理由、副作用が起こらないようにするための方法など、バリウム検査を受けるときに知っておいた方が良いことをまとめました。

バリウム服用後に起こりうる副作用は?

バリウム検査で硫酸バリウムを飲んだ後、人によっては以下のような副作用やアレルギー症状が現れることがあります。

  • じんましん、気分が悪い、顔色が青白くなる、手足が冷たくなる
  • 喉がつまる、息苦しい、息がしにくい
  • 消化管穿孔(消化管のどこかに孔が開く)
  • 腸閉塞(消化管にバリウムが詰まる)

このため、過去にバリウム検査でアレルギー症状を起こした人や、過去にバリウム検査以外の原因であっても腸閉塞を起こしたことがある人は、バリウム検査を受診することができません。検査後にアレルギー症状であるじんましんや気分の悪さ、息苦しさなどを感じたら、すぐに検査を受けた医療機関に連絡し、適切な処置を受けましょう

また、消化管内にバリウムが留まったり詰まってしまったりするのを防ぐため、検査後はバリウムがすべて排出されるまでアルコールは控えましょう。アルコールを飲むと便が固くなる可能性がありますので、消化管内でバリウムを含む便が固まってしまうリスクがあります。

検査後に副作用が起こらないようにするには

バリウム検査の際、上記のような副作用を起こさないためには、以下のようなことに気をつけましょう。アレルギーに関しては予防方法がないため防ぐことはできませんが、消化管穿孔や腸閉塞のリスクを減らすことはできます。

  • 便秘気味の人は事前に申し出ておく
  • 検査後に渡される下剤を指示通りに服用する
  • できるだけ多くの水分を摂取する
  • 便意がなくても定期的にトイレに行く
  • 検査後数日間は排便状況をよく確認し、バリウム便が排出されるのを確認する

バリウム検査後には、できるだけ早くバリウムを排出できるよう、下剤が渡されます。その下剤をできるだけ多くの水で飲みましょう。その後も、可能な限り多めに水分を摂取し、消化管内でバリウムが固まらないようにします。また、排出のために便意を感じていなくても、定期的にトイレに行くことも大切です。

バリウムの排出は、検査から2日~数日かけて行われます。そのため、検査後数日間は排便の状況を確認しましょう。バリウムは白い色をしていますので、便に混じっていればすぐにわかります。白い便が出てきていればバリウムが排出されていますので、白い便が終わり、元の茶色い便に戻ったらバリウムが排出されきったと考えて構いません

しかし、バリウムの白い便が出てこない、便秘が続いている、腹痛がある、などの症状が現れた場合は、すぐに検査を受けた医療機関を受診しましょう。バリウムが排出されないままずっと消化管内に残ってしまうとだんだんと固まっていきますので、より排出されにくくなってしまいます。

バリウム検査前に医師に相談したほうがいい人は?

バリウム検査の副作用のリスクが高い人や、検査後の副作用予防がしにくいなどの理由がある人は、バリウム検査をするかどうか慎重に医師と検討する必要があります。そこで、以下のような人はバリウム検査を受ける前に医師に相談しましょう。

  • 1年以内に消化器(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)の手術を受けたことがある
  • 腸閉塞、大腸憩室炎、クローン病、潰瘍性大腸炎など消化器系の疾患がある
  • 心疾患や腎疾患の治療中で水分制限を受けている
  • 不妊治療中である

消化器系の手術は内視鏡や腹腔鏡の手術を含みます。このように消化器系の異常があった人、または現在進行系で消化器系の疾患がある人は、消化管穿孔や腸閉塞のリスクがありますので、バリウム検査で得られる情報とリスクを慎重に医師と相談・検討する必要があります。心疾患や腎疾患の人は1日に摂取してよい水分量に制限がありますので、検査後にバリウムが体内で固まってしまう危険性があり、こちらも慎重に検討しなくてはなりません。

不妊治療中の人は、妊娠の可能性がありますので、放射線の胎児への影響を考えて医師と相談しましょう。また、糖尿病の治療をしている人は、バリウム検査を受ける前に「検査を受けて良いかどうか」「検査当日にインスリンの注射を打ったり、糖尿病の薬を飲んで良いかどうか」を確認しておく必要があります。

このように、バリウム検査は受けられるかどうかに慎重な検討をした方がいい人もいるのですが、そもそも検査を受けられない人もいます。以下のような人は検査を受けられませんので、該当項目があればすぐに医師に申し出ましょう。

  1. 体重が130kg以上ある
  2. 妊娠中または妊娠の可能性がある
  3. 一人で立てない、または検査台上で体位を変えられない
  4. 検査当日の段階で3日以上便秘をしている
  5. 過去のバリウム検査でアレルギー症状を起こしたことがある

1、3は検査台の上で体を回転させたり、体の向きを変えたりする必要がある以上、避けられない制限です。また、2は不妊治療中の人と同じように、胎児への影響が懸念されます。4は便秘によって体内にバリウムが長期間とどまる危険性がありますので、まず便秘を解消してから検査を受けましょう。5に関しては最初にご紹介したとおり、硫酸バリウムに対してアレルギーを持っていると考えられる人はバリウム検査を受けられません。

おわりに:バリウム検査の後に副作用やアレルギーが出ることもあります

バリウム検査は硫酸バリウムという薬剤を飲んで行う検査ですから、この薬剤に対してアレルギーを持っている人はじんましんなどのアレルギー症状が出ることがあります。こうした症状が出た場合にはすぐに医療機関に相談しましょう。

また、バリウムが体内に留まって腸閉塞や消化管穿孔などの副作用に至ることもあります。下剤と水分をしっかり飲めばたいていは避けられますが、万が一体調不良が起こったら医療機関を受診しましょう。

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