デパス®︎の服用で得られる効果は?副作用や使用上の注意点は?

2019/10/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

デパス®︎とは精神薬の一種で、不安なときや眠れないときによく使われる薬です。比較的名前を聞いたことのある人が多い薬ですが、その理由の一つに、過去に乱用されていたことがあるからというものがあります。

しかし、デパス®︎は本来、正しく使えば効果も強く即効性がある有用な薬です。そんなデパス®︎の本来の効果と副作用、使用上の注意点などをご紹介します。

デパス®︎ってどんな薬?

デパス®︎(一般名:エチゾラム)は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬で、1984年に発売されました。気持ちを落ち着ける効果・催眠効果のほか、筋弛緩作用もあり、肩こりなどの筋緊張を和らげる目的で使われることもあります。このため「体の緊張が強い」「不安からの不眠が目立つ」「他の薬では効果が乏しい」という人に使われることが多い薬です。

デパス®︎は2016年10月まで向精神薬としての指定を受けていなかったため、処方制限がありませんでした。そのため、安易な処方・乱用など悪いイメージもつきまといますが、それだけ効果が高く、上手く使えばとても有用な薬でもあります。比較的安全性も高く、本来依存性もそれほど強い薬ではありません

デパス®︎は効果を実感しやすいため、漠然と使い続けられると服用がやめられなくなってしまうことがあります。そんなときに減薬すると離脱症状が生じ、薬の服用を止めるのも難しくなってしまう場合もあります。このような依存状態に陥らないため、きちんと服用のゴールを決めた上で使っていかなくてはなりません

また、整形外科の領域で筋緊張緩和作用を期待し、頚椎症や腰痛症に処方されることもあります。

デパス®︎の服用で得られる効果は?

デパス®︎の服用によって得られる効果は以下のようになります。

  • 抗不安作用が強い
  • 筋弛緩作用が期待できる
  • 催眠作用が強い
  • 即効性がある
  • 作用時間が短い

デパス®︎は抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用などに強い効果を発揮するとともに、その効果に即効性があること、作用時間が短いことが特徴です。即効性があるのは脳の機能に作用して不安や緊張を落ち着けるからですが、このような薬は依存性に注意する必要があります。

作用は中~強とやや強めですが、作用時間は6時間以内と短いため、効果を持続したい場合は1日3回使います。その代わりに、作用時間の短さから、必要なときにだけ服用する「頓服」としても使うことができます。抗うつ作用を併せ持つため、とくに不安と同時に抑うつ症状を伴うときに向いています。

筋弛緩作用が強いことから、肩や体のこわばりがあるなど、筋肉の緊張が高まっているときにも効果が期待でき、緊張型頭痛の治療薬として使われることもあります。催眠作用は不安が強くて眠れない入眠障害のほか、緊張による中途覚醒や早朝覚醒にも効果が期待できます。

デパス®︎でみられる副作用は?

デパス®︎は安全性が高く、重い副作用はほとんどありません。軽度なものでは眠気・ふらつき・倦怠感・脱力感などが現れることがあり、車の運転や危険な作業などは控えましょう。また、高齢者の場合は転倒につながったり、昼間からボーッとしてしまうこともあります。このように日常生活に支障が出るようであれば、医師に相談し、服用量を調節する必要があります

その他、軽い副作用では以下のような症状が現れることがあります。

  • 眠気、ボーッとする、注意力や集中力の低下、頭が重い
  • ふらつき、めまい、倦怠感、脱力、まぶたが下がる
  • 生理不順、乳汁分泌
  • 長期の服用でだんだん効き目が悪くなる

副作用が重くなると、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れなくなる
  2. 息切れ、息苦しい、起床時の頭痛や頭の重い感じ

①の症状は刺激興奮と呼ばれ、主にもともと精神障害がある人でまれに出現することがあります。②の症状は呼吸抑制と呼ばれ、もともと呼吸器系が弱っている人にまれに出現することがあります。

また、安全性は高いと言っても、依存性にはある程度注意する必要があります。副作用が起こりにくいからとどんどん飲む量を増やすと、止められなくなってしまうこともありますので、必ず決められた範囲内で服用しましょう。

また、頓服ではなく定期的に服用している場合、突然服用を止めると離脱症状としてイライラ・不安感・ふるえ・眠れない・混乱・幻覚などの症状が現れることもあります。薬を止めたいときは自己判断ではなく、医師と相談しながら徐々に減量していきましょう。

デパス®︎服用時の注意点は?

デパス®︎を服用する際は、以下のようなことに気をつけましょう。

飲み合わせ・食べ合わせ
  • 別の安定剤や抗うつ剤などメンタル系の薬と併用した際、効果が強すぎたり副作用が出やすくなることがあるため、必ず医師に伝えておく
  • 飲酒は控える
使用に当たって
  • 指示された用法・用量を守り、定期服用や頓服は決められた範囲内で使用する
  • 一般的な生活で感じるイライラや軽いストレス解消を目的に乱用せず、医師の診断のもとで正しく使う
  • 長期にわたって服用しているときは、自己判断で中止しない
妊娠・授乳について
  • 妊娠中の服用はできるだけ避けるが、医師の指示に従う
  • 授乳中で服用する場合、原則として母乳を中止する
日常生活
  • 眠気やめまいを起こしたり、注意力が低下することがあるため、車の運転や機械の操作などは避ける
  • 薬だけに頼りすぎず、休養やリフレッシュ、生活や職場の環境調整などを合わせて行う

また、重症筋無力症や急性の緑内障などを発症している人には使用できないほか、高齢者は副作用が出やすいことから、少量からスタートします。長期にわたって飲んでいる場合は、自己判断で突然服用を中止すると離脱症状が現れることがありますので、増薬や減薬は必ず医師の指示のもとで行いましょう。

おわりに:デパス®︎は効果が強く作用時間の短い抗不安薬・睡眠薬です

デパス®︎は過去に処方制限がされていなかったことから乱用していた人のイメージが強い薬ですが、本来は安全性が高く依存性は低い有用な薬です。とくに、効果が強く即効性がある代わりに作用時間が短いため、定期服用でも頓服でも使えます。

副作用も基本的には少ないですが、まれにもともと精神障害や呼吸器系が弱い人では重篤な副作用が出ることもあります。このような場合はすぐに医師に相談しましょう。

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