寝つきが悪い原因は「寝室」にある?

2019/9/8

工藤 孝文 先生

記事監修医師

工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来

工藤 孝文 先生

寝つきが悪くなる原因としては「寝る前のスマホ・PC」などが挙げられますが、「寝室の環境」も寝つきを妨げる原因になることがあります。
なかなか寝つけず悩んでいる人は、この記事に当てはまる条件がないかチェックしてみましょう。

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寝つきを妨げる「寝室の光」の特徴は?

ご自身の寝室や部屋の明かりに、白っぽい光の蛍光灯を使っていませんか?
蛍光灯の光は、寝つきを悪化させる原因になります。

脳は日中に強い光を浴びることで覚醒し、夜暗くなるにつれて眠くなるという性質を持っています。
よくオフィスで使われているような、昼白色の蛍光灯の明かりのなかで夜を過ごしていると、目を通じて脳が光を感知し、「今は昼だ」と判断して脳が覚醒するようになります。
すると、脳内で睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されてしまうのです。

また、目の視細胞が光を感知して脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)に情報が伝わると、睡眠のリズムを司る「体内時計」が乱れる原因にもなります。

対処法:寝る前は「暖色系の間接照明」を

寝る2時間前には部屋の蛍光灯を消して、暖色系の間接照明に切り替えましょう。暖色系の明かりは「副交感神経」(自律神経の1つ。心拍数を下げる、血管を拡張させるなど、体をリラックスさせる働きを持つ)を優位にさせ、脳をリラックスさせる作用があるとされています。

ただ、間接照明の光源が直接目に入ってしまうと、脳が刺激されて寝つきが悪くなることがあります。間接照明は、ベッドに横になったときに「光源が目に入らない」足元などに置くようにし、睡眠時は間接照明も消して「真っ暗な状態」にしましょう。

「寝室のインテリアの色」も寝つき悪化の原因?

ベッドやカーテンなど、寝室の主なインテリアは何色が基調になっていますか?

赤や蛍光色をたくさん使っているという人は、その色調が寝つきの妨げの原因になっている可能性があります。これらの色は「交感神経」(自律神経の1つ。心拍数を上げる、血管を収縮させるなど、体をアクティブにする働きを持つ)を刺激し、脳を興奮させる作用があるとされます。

とくにカーテンや布団カバーなどの「面積が大きいアイテム」でこういった色を使うのは、寝つきの観点からいえばあまりおすすめできません。

対処法:寝室のカラーはベージュ系を多めに

寝室のメインのインテリアカラーとしては、ベージュ系の色がオススメです。優しく淡い色調は、副交感神経を優位にさせ、入眠をスムーズにする作用が期待できます。

またベージュ系以外であれば、青や緑などの寒色系で淡い色も、リラックス効果が高いとされています。これらのなかなら好きな色でかまいませんので、面積の大きいアイテムに使ってみましょう。

なお、赤やオレンジ系の明るい暖色系の色は、見ると元気になる作用があるとはいわれています。これらの色が好きという人は、小さめのインテリアで「朝起きたときに目につきやすい場所」に置いておくといいかもしれません。

おわりに:寝室の明かりやカーテン、布団カバーの色をチェック!

寝室の明かりが蛍光灯だったり、インテリアで過度に明るい色を多用している人は、それがなかなか寝つけない原因になっているかもしれません。まずはできる範囲から寝室の環境を変えていきましょう。

※この記事は工藤孝文先生の著書「疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える – (美人開花シリーズ)」を一部編集し、工藤先生の監修のもと発表しています。

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