記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/5 記事改定日: 2020/6/19
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
インフルエンザになるとウイルス感染予防のため、学校の出席や会社の出勤が停止になる期間がありますが、登園や登校、出勤再開の目安である「解熱後2日」の数え方を知っていますか?この記事では、インフルエンザに罹ったときの日数の正しい数え方を紹介します。
インフルエンザはウイルスによる感染症のひとつです。のどの痛み、咳、全身の関節の痛みなどとともに、多くの場合は発熱します。熱は高熱になりやすく、ときには40℃を超えることもあります。
近年は、発症して48時間以内に服用することで効果が得られる「抗ウイルス薬」が処方されています。抗ウイルス薬が順調に作用をすれば、1〜3日程度で熱が下がり、他の症状についても回復に向かいます。
薬によってすっかり体調が良くなれば外出や出勤を考える人もいるでしょう。しかし、インフルエンザウイルスは熱が下がってからも約2日間は体内に残っているといわれます。インフルエンザウイルスは感染力の強いウイルスです。体内にインフルエンザウイルスが残っている状態で、学校や会社、交通機関といった公共の場所に出向けば、他の人にウイルスが感染する可能性があります。
学校に関しては学校保健安全施行規則によって「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」は登校できないと定められています。一般的には、発症日は37℃以上発熱した日を指します。
インフルエンザの発症日は、発熱やのどの痛み、ダルさなどインフルエンザに特徴的な症状が現れた日のことを指します。
注意したいのは、症状が現れた日を「0日」と数えることです。つまり、発症1日目とは、症状が現れた次の日のことを指します。
インフルエンザの「解熱」とは、一般的に体温が37.5度以下になることを指します。
「解熱後」と言えば、一日を通して体温が37.5度以下になった日のことです。例えば、午前中に37.5度以上の発熱があり、午後に36度台に落ち着いたとしてもその日は「発熱日」として数えますので注意が必要です。
また、1日を通して解熱した最初の日を0日目と数えることになっていますので、「解熱後2日目」とは、「初めて1日を通して解熱した日から3日目」のことを指します。
学校保健安全施行規則で「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」と定められていることを基本と考えます。
たとえば、小学生の場合は月曜日に発症して翌日の火曜日に熱が下がり元気になったとしても、月曜から金曜までの丸々5日間は登校できません。
そのため、その週の日曜日以降に学校へ行くことができるようになります。そのため、月曜に発熱をした場合には、その週の日曜日以降の登校となりますから、実際には翌週からの登校となるでしょう。
一方、熱がなかなか下がらずに発症から4日目にやっと熱が下がったという子がいるとしましょう。その場合は、熱が下がってからさらに2日間は登校できません。
また、回復のスピードは人それぞれです。熱が下がることでスッキリ回復する人もいれば、規定された5日間を過ぎてもだるさが残るという人もいます。体調に合わせて、無理をしないことも大切です。
大人の場合は、子供たちのように出席や出勤の停止ルールが明確に定められているわけではありません。しかし、抗ウイルス薬の作用や回復の流れは子供の場合と同様です。職場によっては、職場内でルールを定めていることもありますから、インフルエンザが流行する時期には確認をしておくと良いでしょう。
また、明確なルールがないからと出勤をすることで、職場にウイルスを広げてしまい、かえって迷惑をかけることもあります。大人の場合も解熱後2日経過すれば、体内のウイルスはほぼいなくなっているといわれています。医師の指示をもとに、職場と相談をして出勤日を検討することが望ましいでしょう。
高熱が特徴のインフルエンザ。「熱が下がった=治った」と思いがちですが、熱が下がっても、その後約2日間はウイルスが残存しているといわれます。学校の場合は、出席停止期間が定められていますからルールに従いましょう。社会人の場合も職場の就業規則や、医師の指示をもとに職場と相談することが望ましいでしょう。
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