記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/5/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
熱や痛みを和らげる解熱鎮痛薬には、その効能や特徴によりさまざまな種類があります。今回は解熱鎮痛作用のある薬の中からロキソプロフェンについて、その効能や使用上の注意点、知っておくべき副作用について解説していきます。
ロキソプロフェンは、解熱鎮痛薬のなかでも「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」に分類される薬です。体内でシクロオキシゲナーゼの働きを阻害し、炎症や痛み・発熱を引き起こすプロスタグランジンの生成を阻害することで、腫れや痛みを和らげ熱を下げてくれます。化学構造的には「プロピオン酸系」という分類になり、解熱・鎮痛・消炎作用の3つを、均等にバランスよくもっているのが特徴です。
NSAIDs系の解熱鎮痛剤のなかでも、ロキソプロフェンは比較的安全性が高く、強い効き目があることで知られているため、幅広く使用されています。服用後、体の中に入ってから活性化して、効き目を発揮します。
さまざまな痛みに幅広く作用するため、ロキソプロフェンは主に以下のような疾患・症状の解熱と鎮痛を目的として使われています。
ロキソプロフェンは解熱鎮痛剤として、処方薬・市販薬どちらでも販売されています。ここからは、ロキソプロフェンを主成分とする処方薬を2つ、市販薬を3つの計5種類の薬の具体的な商品名や特徴をご紹介していきます。
内服する錠剤タイプで、体内で起きている炎症に伴う腫れや痛み、発熱を緩和します。リウマチなどによる関節の痛みや、手術や外傷による強い痛み、風邪による体の痛みや発熱を抑える目的で処方されます。
皮膚に貼り付けるタイプの薬で、皮膚から浸透して炎症に伴う腫れや痛みを緩和します。変形関節症や筋肉痛、外傷によって膨張している患部に湿布のように貼り付けることで、痛みや炎症・腫れの治療を目指します。
頭痛や生理痛のほか、外傷による痛みなど、各種疼痛に効果的な小型の錠剤タイプのお薬です。悪寒や体の痛みを伴う発熱にも効果があり、服用すると痛みを素早く緩和してくれます。
ロキソニン®︎Sと同じく、ロキソプロフェンを主成分とする小型錠剤ですが、より早く鎮痛効果を得られるよう、配合成分を調整したタイプです。
ロキソプロフェンを主成分とする解熱鎮痛作用と、胃粘膜を保護する成分の2層から成る錠剤タイプのお薬です。頭痛や腰痛、月経痛、関節痛や筋肉痛のほか、風邪による悪寒や発熱の緩和にも効果があります。
以下のような条件・症状に当てはまる人は、ロキソプロフェンを服用すると症状が悪化したり、深刻な健康被害を起こすリスクがあります。
上記に当てはまる場合は、ロキソプロフェンを服用・使用する前に必ず医師に相談し、服用しても問題がないかを確認してください。
ロキソプロフェンの服用によって起こる可能性がある副作用で最も多いのは、吐き気や嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、下痢などの胃腸症状です。そのほか、比較的発症頻度の高い副作用として発疹や喘息発作が挙げられます。
また、発症頻度はまれですが、重篤な副作用としては以下のような症状が起こり得ます。
もし、ロキソプロフェンを服用した後に上記のような症状がみられたら、症状の変化を簡単に記録し、できるだけ早く医師・薬剤師に相談しましょう。
ロキソプロフェンは、NSAIDsに分類される解熱鎮痛薬の一種です。体内で炎症・痛み・発熱を引き起こす物質の生成を阻害することで、病気やケガ、手術による体の炎症や痛み、悪寒を伴う発熱などを緩和する効能があります。処方薬・市販薬の両方で幅広く使われ、比較的副作用が起こりにくいことで知られていますが、消化器の不調をはじめ副作用が出るリスクはあります。疑わしい症状が出たら、すぐに医師か薬剤師に相談してください。