関節の亜脱臼はなぜ起こる? 脱臼との違いは何?

2017/11/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

亜脱臼とは、スポーツや事故などで身体の一部に強い衝撃を受けたときに起こる、脱臼の一歩手前の状態をいいます。ここでは、脱臼との違いやどういった場合に起こりやすいのか、治療方法などについて解説します。

亜脱臼とは

人の体にはたくさんの骨がありますが、その骨同士をしっかりつなげている接合部分を関節と呼びます。この関節は普段、靭帯や筋肉によって安定が保たれていますが、スポーツや事故などが原因で身体の一部に強い衝撃を受けると、靭帯や筋肉がいたみ、関節がずれます。これが脱臼の状態です。

ただし、関節のずれの程度や方向によって脱臼と亜脱臼は区別されます。脱臼は、完全に骨同士の接触がはずれた状態を指しますが、亜脱臼とは骨同士の位置が一部ずれ、かろうじてつながっている状態を意味します。

亜脱臼を引き起こす原因は?

基本的に亜脱臼は、強い衝撃を受けて関節の可動域を超えてしまい、骨がずれてしまったときに起こります。以下で詳しく解説します。

外傷による亜脱臼

亜脱臼を起こす原因の多くは、スポーツ時や事故などによる接触、転倒です。柔道やラグビーなどのコンタクトスポーツでの接触や、スノーボードでの肩からの転倒、無理な体勢で手をついた、といったことでよく起こることがあります。

外傷以外による亜脱臼

脳梗塞や脳出血の後遺症である、片麻痺が原因で起こる亜脱臼もあります。半身麻痺になったことで筋肉が拘縮し、少しの重力や外力が加わるだけで関節がずれてしまうのです。

また、頚椎で亜脱臼が見られる関節リウマチ頚椎病変と呼ばれるものもあります。頚椎の関節が前方または上方へ亜脱臼し、骨が破壊されて関節の不安定が起こり激しい痛みをともなう症状です。

亜脱臼を起こすと、どんな症状がみられる?

亜脱臼を起こすと安静時の痛みや押したときの痛み、運動時の激しい痛み・腫れがみられ、自力で動かすことは難しくなります。

なお、最も亜脱臼が起こりやすい場所は肩です。亜脱臼が肩で起きた場合は、肩甲骨が前方へとずれて見えます。

亜脱臼はどうやって治す?

亜脱臼の治療法について以下で詳しく解説します。

外傷による亜脱臼の治療法

2~3週間の間、三角巾やテーピングにより患部をしっかり固定します。亜脱臼は完全な脱臼ではないものの、ダメージを受けた靭帯や関節包など損傷した組織をまずは修復させる必要があります。組織の修復が終わったら、医師や理学療法士指導のもと、関節まわりの柔軟性をつけるストレッチや筋力アップトレーニングを行います。

なお、亜脱臼を起こしてから約2か月の間は、重いものを持ったり激しい運動をしたりするのは禁止です。日常生活が制限され、体力低下や多少ストレスを感じることもあるでしょう。しかし、きちんと完治させないと軽度の亜脱臼がくせになり、慢性的に亜脱臼を繰り返したり(反復性亜脱臼)、靭帯断裂をともなう脱臼を引き起こしたりする可能性もあります。

関節リウマチ頚椎病変でみられる亜脱臼の治療法

頚椎カラーなどの固定器具を使って、頸部を固定します。重度の場合は慢性的な痛みや神経障害を起こすので、頚椎を固定する手術を行う場合もあります。

おわりに:軽度だからと侮らず適切な治療を行いましょう

脱臼と比べると軽度に見られがちな亜脱臼ですが、くせになったり重症化したりするリスクもあるので、医師や理学療法士の指導のもと、適切な治療を行うようにしましょう。

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