アキレス腱が痛くなる原因として、どんなことが考えられる?

2017/10/2 記事改定日: 2019/8/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アキレス腱の痛みは足への負担が原因で起こるため、比較的よくあらわれる症状です。アキレス腱にはどんな役割があり、アキレス腱の痛みにはどんなものがあるのかについてまとめました。

アキレス腱とは

アキレス腱は、足首の後ろ側かかとのすぐ上にある腱です。ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋の共通の腱で、かかとの骨の隆起している部分に付着している、人体の中で最も大きな腱です。

アキレス腱の主な働きは、足関節の底屈運動です。底屈とは、足首の関節を足の裏方向に折り曲げ、つま先を伸ばしていく状態までの運動を表します。直立状態から、つま先立ち動作を行うとき、下腿筋群と一緒に働きます。ほかにも、歩いているときにかかとの部分にかかる荷重を調整しています。

アキレス腱周囲膜(パラテノン)という結合組織で覆われていて、アキレス腱の前の部分にはケーラー脂肪体という脂肪組織があります。アキレス腱に炎症が起こると、この脂肪組織の周りに異常な血管が多くみられるようになるといわれています。

アキレス腱が痛くなるのはどんなとき?

以下に、アキレス腱が痛くなる原因として考えられる状況をご紹介します。

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂はスポーツをしている人に起こることが多く、腱の断裂では最も多いけがです。バレーボールや、テニス、ソフトボール、サッカーで足を踏み込んだ時に突然起こります。足首を動かせるのでなんとか歩けますが、つま先立ちやジャンプはできません。

アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉に強い力が加わり、アキレス腱に瞬間的に力が加わりすぎたことが原因で発症します。また、アキレス腱の部分はもともと血行が悪く、疲労や加齢によって柔軟性がなくなることも原因となります。断裂すると、その部分に強い痛みや内出血による腫れなどがみられます。

アキレス腱の炎症

アキレス腱の炎症には、アキレス腱周囲炎とアキレス腱滑液包があります。

アキレス腱周囲炎
かかとから5cmくらい上でアキレス腱が腫れて痛みます。ランニングやジャンプをする競技(バレーボール、バスケットボール、体操)などをしている人によくみられます。アキレス腱の使いすぎが原因です。
アキレス腱滑液包
アキレス腱から少し上が腫れて、両横から押さえると痛む症状です。登山、ランニングやスキーなど長く靴を履いて運動するときに起こりやすいと言われています。滑液包はクッションの働きをするため、靴のかかとに当たる部分が硬すぎるなど、かかとへの衝撃が強くなることが原因のひとつではないかと考えられています。

アキレス腱の痛みを和らげるには?

アキレス腱炎が直接アキレス腱断裂につながるわけではないものの、アキレス腱炎を放置するとアキレス腱に負荷がかかってしまうため、結果的にアキレス腱断裂を発症する恐れがあります。

アキレス腱断裂を発症した場合、手術かギプス固定で保存療法による病院での治療が必要です。このような状態にならないためにも、アキレス腱炎は早めに改善することが大切です。

アキレス腱炎の改善には、アキレス腱部分を柔らかくするのはもとより、下半身全体の柔軟性を回復させることも大切です。運動の前後に、ウォーミングアップとクールダウンを忘れずに行いましょう。また、運動後にふくらはぎの緊張や張りがみられる場合は、マッサージが有効な場合もあります。

また、足に負担をかけないよう、自分に合った靴を履くことも大切です。アキレス腱炎はヒールを履く機会が多い人など、運動習慣と関係なく発症する可能性があります。自分の足に合うサイズの靴を選んだり、インソールで足にフィットするよう調節したりといった工夫をしましょう。もし、痛みがあるときは整形外科で診てもらい、痛みの原因を確認することも重要です。

アキレス腱が痛いときにしてはいけないことは?

アキレス腱が痛いときはストレッチを控えましょう。ストレッチでふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めることは大切ですが、過度に伸ばそうとすると痛みの原因になります。また、炎症を起こしているときは患部が傷ついている状態のため、そこを押したり揉んだり、伸ばしたりすることは避けましょう。

アキレス腱に限ったことではありませんが、痛みが起こってすぐは炎症がひどい状態のため、患部を休ませる必要があります。運動はしばらく中止して、足に負担をかけないよう工夫しましょう。

おわりに:アキレス腱が痛くなったら、悪化する前に休めよう

  • アキレス腱は歩くのに必要な部分を占めており、足への負担が蓄積したり、大きな衝撃が加わることで損傷し痛みを発症する
  • アキレス腱炎を予防するには、自分にあった靴をはき、インソールなどを使って足への負担を軽減することが大切
  • 運動の前後にウォーミングアップとクールダウンを徹底することも重要
  • ストレッチも大切だが、間違ったストレッチはむしろアキレス腱を痛める原因になることも。専門家に指導を受けるのがおすすめ

もしアキレス腱が痛くなった場合は、悪化を防ぐためにも休息をとり、痛みの原因を調べるために整形外科を受診しましょう。

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