腎臓を回復させるために、食事や日常生活で気をつけることって?

2018/10/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎臓病などで腎臓の機能が低下してしまった場合、機能を回復させるために、食事や日常生活ではどんなことに気をつける必要があるのでしょうか。ポイントをまとめました。

腎臓の機能を回復させるために、まずは食事を見直そう

腎臓の機能を回復するためにも重要となるのが食生活の見直しです。食事で気を付けるポイントは、タンパク質を摂りすぎないようにしつつエネルギーをしっかりと補給するということです。

たんぱく質を多く摂ると、尿素窒素やクレアチニンといった腎臓からしか排せつされない物質が多くなるため腎臓に負担をかけてしまいます。そのため、たんぱく質の代謝(分解)産物の産生を抑制することによって腎臓の機能回復へとつながります。

また、エネルギーはタンパク質を有効に利用するのに必須のため、意識的に摂取しましょう。エネルギー不足となるとたんぱく質を分解してエネルギー源を作る異化作用が行われるため、タンパク質を制限することの意味が無くなってしまいます。

他にも塩分(ナトリウム)の摂りすぎにも注意したり、野菜をたくさん摂ったり、規則正しい食生活をすることによって腎臓への負担を減らすことができ、機能回復へとつながります。元々腎臓の機能が低下している人では、カリウムが制限されることもあります。
病状や医師の見解によって摂っても良いタンパク質量などは細かく決められていることがあるため、医師の指示はしっかりと守るようにしましょう。

腎臓の機能回復には生活習慣の見直しも大事!

腎臓の機能回復のためには、食生活だけでなく日常生活を見直し、規則正しい生活を送ることも必要です。腎機能を回復させるためには激しい運動を避け、疲労を翌日まで残さないように配慮することが必要です。

ただし、激しい運動を避けるためにじっとしていることも良くはありません。血液循環を促すためにもウォーキングなど適度な運動は行うようにしましょう。

仕事では残業や夜勤、長時間の立ち仕事、高温や温度差の激しい場所での作業への注意、長すぎる通勤時間をなるべくさけるようにして、疲労をため込まないことが必要です。ストレスや疲労も血圧の上昇へとつながり、これが腎臓へ負担をかける可能性があるため、睡眠時間をしっかりとるなど疲労やストレスを解消することも大切です。

また、腎機能が低下している人は、抵抗力も落ちている場合があります。それだけでなく感染症などにかかることによって腎臓へ多大なる負担をかけてしまうため、感染予防を心がけましょう。喉の痛み、咳、頭痛など軽度な感冒症状が見られた場合は放置せずにすぐにかかりつけの医師へ診てもらうことをおすすめします。さらに、アルコールは適量として禁煙を心掛けましょう。

腎臓をいたわったほうがいいのはどうして?

腎臓はある程度まで機能が低下してしまうと元に戻すことができません。また、自覚症状が出るまでには長い時間がかかるものの自覚症状が出ると症状は短い期間でどんどん進行してしまい、やがて腎不全になり、人工透析を受けなければならなくなります。

特に健康診断などで腎臓の機能低下が指摘された場合には速やかに対処していくことが必要です。

腎臓を回復させるためにも、健康診断を受けよう

前述したように、腎臓の機能は低下していても始めのうちは目立った症状がなく、症状に対する自覚がないまま長い期間が経ってしまいますが、症状が出現するとそこからは短い期間で進行してしまいます。腎臓の機能低下を知るには健康診断で定期的に尿検査を受けることが必要です。

この検査においてタンパク尿や血尿が見られた場合には速やかに精密検査を受け、しかるべき治療を受けることが望ましいとされています。
検査は定期的に行うことで早期発見に結びつくものの、尿の色やにおいなどの異常に気付いた場合や定期検診等の尿検査で蛋白尿や血尿を指摘されたが再検査を受けていないという人、自覚症状がないため定期検診を受けていない人、最近健康診断を受けていない人や仕事が忙しく疲れがたまっているという人は一度検査を受けることがおすすめです。

おわりに:腎臓は元に戻らない!異常を早期発見し、日常生活で労わる努力を

腎臓は症状が出現するまで時間がかかるものの症状が出現すると短い期間で重症化します。重症化した腎機能は元に戻すことができません。腎臓の機能が低下しているかどうかは健康診断の尿検査などで分かります。腎臓の機能低下を指摘された場合には速やかに然るべき検査や治療を受けるとともに食生活や日常生活を見直して腎臓を労わってあげるようにしましょう。

特に注意しておきたいのが、食事です。タンパク質量などはその人の腎臓の状態によって医師が判断します。必ずかかりつけの医師などに相談するようにしましょう。

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