突然、胸が締め付けられるような痛みが!これって心臓の病気?

2018/12/12 記事改定日: 2020/5/21
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

何気ない日常の中で、胸が急に痛くなったり、締め付けられるような感覚が起きたりします。これらの症状は、主に心筋梗塞(しんきんこうそく)や狭心症(きょうしんしょう)が原因です。
今回は胸痛の原因や、痛みが起きたときの対処法、予防法などをまとめました。

心臓が締め付けられるような痛みは心臓の病気?

突然、胸が締め付けられるような痛みが起きた場合、心筋梗塞や狭心症といった病気の可能性があります。心筋梗塞と狭心症は、どちらも心筋と呼ばれる心臓の筋肉に血液を送っている「冠動脈」の病気です。

心筋梗塞と狭心症について

心筋梗塞

動脈硬化で狭くなってしまった冠動脈の内側に血栓(血のかたまり)ができ、そのせいで冠動脈が完全に塞がって心筋に血液が流れなくなった状態です。発作が15分以上続くと心筋が壊死します。人によっては命を落とすこともある危険な病気です。

狭心症

狭心症は動脈硬化で冠動脈が狭くなり、十分な血液が心臓に送れなくなったときに起こる病気です。心筋梗塞とは違って、冠動脈が完全にふさがっていないので、血流が平常になれば元に戻ります数分間の短い発作を繰り返すこともあるのが特徴です。

心筋梗塞も狭心症も突然発症する病気で、安静時でも起こることがあります。特に、季節の変わり目や気温変化が激しい時に発生しやすいです。また、階段や坂道を駆け上がっているとき、運動や入浴などで血圧や脈拍が上がったとき、強い緊張時なども起こることが多いです。

なお、「異型狭心症」という、冠動脈に突然けいれんが起こって狭心症と同じような症状が起こる病気もあります。明らかな動脈硬化がみられないのに血管が収縮する病気で、ストレスや喫煙、過呼吸、不眠といったものが原因となります。発症すると重度の不整脈や心筋梗塞を招く恐れがありますので、胸に違和感がある場合はすぐ病院へ行きましょう。

心筋梗塞や狭心症の原因は?

心筋梗塞や狭心症は、冠動脈が狭くなったり詰まったりして血流が遮断されたときに起こります。冠動脈が狭くなるのは動脈硬化が原因です。年齢を重ねるにつれて、動脈硬化が起こりやすくなります。

動脈硬化が起きる原因

  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 糖尿病
  • 腎臓病
  • 生活習慣
  • 体質
  • 加齢
  • 肥満
  • 喫煙……など

動脈硬化は、肥満や生活習慣を改善することでリスクを下げることができます。日頃の努力が大切なので、毎日の生活を見直し、できるだけ早くに取り組み始めましょう。

心筋梗塞や狭心症、胸の痛みのほかにどんな症状が出てくる?

心筋梗塞や狭心症の発作が起きた場合、胸の痛み以外にもさまざまな症状が出ることがあります。

心筋梗塞や狭心症の症状

  • 締め付けられるような胸の痛み
  • 不安感
  • 動けなくなるような痛み
  • 冷や汗が出る
  • 息苦しさ
  • 胸の重苦しさ
  • 胸に圧迫感を感じる
  • 顔が青白くなる
  • 呼吸困難
  • 失神
  • ショック

胸の痛みで多いのは、胸部の左前あたりからみぞおちや左肩にかけての痛みですが、まれに高齢者や糖尿病の人を中心に、症状があまり出ない場合があります。病気や加齢で冠動脈が徐々に細くなっていても、別の冠動脈が助けているため、気づきにくいです。肩の痛みや腰痛で病院に行った人が、実は心筋梗塞だったという事例もあります。

胸の不快感や不快な痛みは注意が必要です。1つでも当てはまる場合はすぐに病院に行って下さい

締め付けられるような痛みが出た時の対処法は?予防法はあるの?

突発的な胸の痛みが出た場合の対処法

ゆっくり呼吸ができるように、服のボタンを外して胸を開け、胸部を締め付けないようにします。ネクタイも外してください。スカートやズボンのホック、ベルトなども外して、楽な状態を作ります。

そして、その場で横になり、安静にします。1人で病院に行けそうな状態でも、急変することがあるため、救急車を呼んだ方が安心です。

予防策

生活習慣の見直しが肝心です。高コレステロールや高血圧、肥満や運動不足などは動脈硬化の原因となります。食生活や運動習慣を改善し、規則正しい生活を送りましょう。

心臓の病気以外で胸の痛みが起きることもある?

胸の痛みは、心臓以外の病気で引き起こされることもあります。

原因はさまざまですが、若い女性などに多く見られるのは「心臓神経症」と呼ばれるものです。これは、心臓自体には何も異常はないものの、ストレスや過労などによって交感神経の働きが過敏になり、胸の痛みや呼吸困難感、めまいなどの症状を引き起こすと考えられている病気です。
なかには締め付けられるような強い胸の痛みが生じるケースもありますが、多くは気持ちを落ちつければ自然に改善していきます。

また、そのほかにも肋骨の間を走行する肋間神経に何らかの刺激が加わることで生じる「肋間神経痛」、肺炎などによって肺を包む胸膜に炎症が生じることによる「胸膜炎」などでも胸の痛みが生じることがあります。

いずれにしても、胸の痛みの原因を自己判断するのは困難ですので、胸の痛みが続くときはできるだけ早く病院を受診して原因を突き止め、治療を開始するようにしましょう。
また、病院を受診した際には、痛みの程度・痛みが続く時間・どのようなときに痛みが起こりやすいかについて医師に伝えるようにしましょう。

おわりに:胸の痛みの主な原因は動脈硬化!生活習慣の改善に取り組もう

急激な胸の痛みは動脈硬化が原因の可能性があります。食事や運動、睡眠など、生活習慣を見直すところから始めましょう。また、もし胸に違和感が出た場合、すぐに病院にかかると安心です。特に家族に高齢者の方や糖尿病の方がいる場合、「顔色が明らかに悪い」といったいつもと違うサインを見落とさないようにすれば、早期発見・治療につながります。

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