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動脈硬化の原因と重症化が招く恐ろしい合併症とは!?
2017/10/17 記事改定日: 2018/9/10
記事改定回数:1回
「動脈硬化=重大な病気につながる症状」というイメージをお持ちの方は少なくないでしょうが、放置した場合、具体的にどんな病気に発展する恐れがあるのかご存知ですか?動脈硬化の原因とあわせて解説していきますので、健康管理の参考にしてください。
動脈硬化の原因は?
動脈硬化は年齢を重ねることで進行するので、完全に抑えることはできません。
しかし、次の紹介するものが原因になっていることがわかっています。
これらの危険因子を抱えているままでいると、動脈硬化のリスクはどんどん高まります。
高血圧
血圧とは、血管内を血液が流れるときの「圧力」です。血圧が高い状態が続くと血管壁の内膜が傷つき、そこに脂質などが蓄積して動脈硬化を引き起こす原因となります。
収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の状態が一般的な高血圧とされていますが、この状態が長く続くと動脈硬化によって心筋梗塞や脳卒中の発症率が高くなることも知られています。
高血糖(糖尿病)
血糖とは、血液の中に存在しているブドウ糖のことです。ブドウ糖はやや角ばった形をしているため、血糖が高い状態が続くと、過剰なブドウ糖が血管内皮を傷つけて動脈硬化を引き起こすのです。
また、過剰なブドウ糖が血管内皮に付着すると、そこで活性酸素が発生して血管壁を傷つけることも分かっています。
脂質異常症
脂質異常症の中でも特にLDLコレステロールが高くなると、血管壁が傷つけられます。そして、その傷にLDLコレステロールが入り込み、酸化することで血管壁が厚く硬くなって動脈硬化を進行させることが知られています。
また、厚く硬くなった血管壁を更に修復しようとする作用が働くと、血管壁に「血栓」と呼ばれる塊ができることがあり、これが脳や心臓の血管に流れると脳卒中や心筋梗塞などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
肥満
肥満は高血圧や糖尿病、脂質異常症を引き起こしやすくなるため、肥満自体が動脈硬化の原因となることがあります。
特に糖尿病や脂質異常症は健康診断などで定期的に検査をしなければ、発見されることはありません。このため、健康診断などを受けていない肥満の人は知らず知らずの内に動脈硬化が進行して重篤な合併症を発症してしまうこともあります。
肥満の人は動脈硬化のリスクがあることを自覚し、食生活や運動習慣などを見直すようにしましょう。
喫煙・飲酒
喫煙は体内の活性酸素を増加させることが分かっています。このため、喫煙によって増加した活性酸素が血管壁を傷つけ、動脈硬化の原因となることがあります。また、喫煙自体がLDLコレステロールを上昇させる効果があり、動脈硬化のリスクが二重になる場合もあります。
さらに、過度な飲酒も動脈硬化を引き起こすこともあります。アルコールは血管を収縮させ、利尿効果もあるため、長期間に渡って過度な飲酒を続けると血管に負担がかかって動脈硬化の原因となることがあるのです。また、過度な飲酒は動脈硬化のリスク因子である高血圧の原因となることもあり、飲酒と共にカロリーの高いおつまみなどを食べることで肥満を導くことも少なくありません。
反対に、動脈硬化が原因で発症する病気もある!?
動脈硬化は、動脈が硬化して弾力性がなくなることで、血液がスムーズに流れなくなる状態のことです。
通常、血管は柔らかいほどしなりがあるので、心臓への負荷も少なくなります。しかし動脈が硬くなると血管がもろくなり、血管壁を狭くしたり、つまりやすくなったりするのです。水道管の流れが悪くなる状態と似ており、放置すると健康を害することになります。
そして、次第に臓器や筋肉などにも悪影響を与え、放置すると狭心症、心筋梗塞、脳卒中、脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こします。
急死の原因の多くは血管疾患に多く、これらを招くのが動脈硬化です。あるとき突発的に発症することが多いため「いつ発症するか」の予測が困難です。日頃から生活習慣に気をつけ、予防に努めることが重要になってきます。
また、血管内は自分で確認することができません。定期的に健康診断や人間ドックを受け自分の健康状態を確認しましょう。
予防は有効な治療のひとつであり、症状を進行させないためにも大切になってきます。
動脈硬化の進行を完全に止めることはできませんが、進行を遅らせることで健康寿命を引き伸ばすことはできます。
動脈硬化を食い止める対策はある?
動脈硬化の最大の治療は予防にあります。予防のために、健康な日常生活を送ることが基本です。
とくに
- コレステロール値の高い食べ物を控える
- 適度に運動する
ことが、高血圧や脂質異常、肥満、高血糖を改善するために重要になってきます。
また、動物性脂肪・糖質を控え、野菜や青魚を多めに食べたり、黒酢やリンゴ酢を飲んだりするのもおすすめです。
ただし、無理な運動は関節を痛めるなどのトラブルを起こす可能性もあるので気をつけてください。不安がある、どのくらいやったらいいかわからないという人は、医師や理学療法士、トレーナーなどの専門家に相談してもいいでしょう。
おわりに:心筋梗塞などにもつながる動脈硬化。原因になる生活習慣を今すぐ見なおそう
高血圧や肥満、喫煙習慣など、生活習慣に起因するものが動脈硬化の一番の要因と考えられています。動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中につながる恐れのある病気なので、発症する前に生活習慣の見直しをしておきましょう。