記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/25
記事監修医師
前田 裕斗 先生
元気がなかったり、急に熱を出したりすることがほかの子と比べても何だか多いかも。もしかしたら、耳の感染症かも知れません。
きちんと熱を測って、原因を知るためにも小児科か耳鼻科に連れて行ってあげましょう。
ここでは、赤ちゃんの耳の感染症についてまとめました。
いつもは元気いっぱいな赤ちゃんが、元気がなくて、お気に入りのおもちゃにも関心を示さない。熱があるのかなとピンときますね。
まずは熱を測りましょう。発熱は、感染したということ、そして体の免疫システムが戦っていることを表しています。適切な治療のために、熱を測ることは重要です。
熱の測り方は下記のとおりです。
赤ちゃんが唇を閉じた状態で温度計を舌の下に(噛むことなく)保つことができれば、口腔検温を始めてもよいでしょう。大体4〜5歳前後でできるようになりますが、3歳の赤ちゃんができることもあります。
脇の下での検温は簡単ではありますが、それほど正確ではありません。ただ、赤ちゃんが熱があるかを見ることはできます。
赤ちゃんにとっても保護者にとっても楽しい方法ではないかもしれませんが、体温を測るには最も正確な方法です。お尻の穴に体温計を入れて測る方法です。詳しくは小児科医にたずねてみましょう。
いらいらや、風邪の症状(鼻水と微熱)、耳を引っ張ったりすることが多いこと、食欲のなさ、睡眠の困難などが見られたら耳の感染症かもしれません。
耳の感染症には何種類もありますが、多く見られるのは急性中耳炎と呼ばれるものです。通常風邪や他の上気道感染症で、耳管(中耳を鼻と喉の後ろに繋ぐ管)の内部が腫れて塞がっている時に進行します。耳管の詰まりで液体が鼓膜の裏の中耳にたまるようになり、ばい菌が繁殖します。
赤ちゃんが、時々経験する痛みと一時的な聴覚消失は、鼓膜に塞がれた液体が圧力をかけるからなのです。赤ちゃんが高熱をしばしば出すのは、小さな体が耳の感染症と闘っているからです。
赤ちゃんは耳の管が大人に比べて短く小さいので、液体が入り、たまりやすくなっており、成人よりはるかに耳の感染症に罹患しやすいのです。ほとんどの赤ちゃんは、2歳になるまでに最低でも1度は耳の感染症になっているでしょう。
赤ちゃんの中には、特に耳感染症になりやすい子がいます。原因ははっきりとは分かっていませんが、以下を含むいくつかの要因がリスクを高めるとされています。
・耳感染症の家族歴
・喫煙者と一緒に住んでいる
一般的な症状を以下に挙げます。
・耳を引っ張る、意図的に自分の頭をたたく
・話ができる年齢であれば、耳の痛みや頭痛を訴える
・いつもよりも激しく泣く
・夜間に目覚める(横になると耳の圧力が変化し、夜間に痛みが悪化する)
・声や音に反応しない
・不機嫌で興奮している
・発熱
・めまい(いつもよりもつまずき、物にぶつかったりする)
・横になったり、噛んだり、吸ったりする時に不機嫌になっている(これらの行為は、痛みの原因となる圧力変化の可能性がある)
・食欲の減少
・透明または血の混じった分泌液や膿が耳から垂れる
・耳の中および周囲が皮で覆われる
耳の感染症が起こりやすい体質の赤ちゃんは、何度も感染症にかかってしまいます。でも、落ち着いて小児科医や耳鼻科医に相談しましょう。
すぐに対応できるように、普段から赤ちゃんの様子を観察しましょう。