災害や事件で不安に…。心を落ち着けるためにできることは?

2020/6/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

災害発生や事件のニュースをきっかけに心が不安定になることがありませんか。不安や緊張、ストレスによって体の不調を感じたり、つらい状態になりそうになったときは、早めに対処をとることが大切です。この記事では不安を和らげて心をリラックスさせる方法を紹介します。

こんな症状が出てきたら、心が疲れ始めているサインかも

災害や事件、事故など世の中でつらい出来事や悲惨な状況が起きているとき、それらの情報を見聞きすることで心が落ち着かなくなることがあります。その当事者が見ず知らずの誰かであっても、自分の身にも起こりうるような感覚や自分のことのように受け止めることは少なくありません。すると自分が同じ状況に陥るのではないかという不安や緊張、ストレスが高まり、精神的につらくなってしまいます。

テレビやインターネットからは、映像を通して事件や事故のリアルな情報が届けられます。刺激が強い情報を得ることで、交感神経系が過剰に反応して緊張状態になります。この緊張状態が続くと、不眠や吐き気、めまい、胃痛などの不調を招くことがあります。もしこれらの症状がみられたら、不安や緊張などが影響している可能性が考えられます。

生活リズムを整えることに意識を向けよう

不安など心の状態からくる不調は、生活リズムを整えることで改善する場合があります。

睡眠
就寝時間と起床時間のリズムを整えて、体内時計のリズムを乱さないようにしましょう。また、良質な睡眠でストレスを緩和させることも大切です。就寝前にぬるめのお湯につかって体を温め、副交感神経が優位になるようにすると、リラックスして深い睡眠を得やすくなります。
食事
栄養バランスのとれた健康的な食事がおすすめです。ビタミンやたんぱく質を積極的に食事に取り入れましょう。また、ストレスが蓄積すると、ストレスホルモンが増えて血糖値が上昇します。疲れを感じると甘いものを食べたくなりますが、糖分摂取が増えすぎないようにしてください。
運動
心が疲れているときこそ運動が大切です。体を動かすと血行が促進され、骨格筋の緊張がほぐれ、体がリラックスした状態になります。有酸素運動で「気持ちいい」と思えるくらいの運動を習慣化してみましょう。

不安を生み出すものから離れよう

心の不安を小さくするために、不安の原因との距離感をほどよくとることが大切です。

情報過多によるストレス
現代社会は情報が常に飛び交っています。不確定な情報、複数の意見や見解で議論している情報、意図的に刺激を強くしている情報など、情報の質や種類もさまざまです。そのため情報を集め過ぎて疲れや不安が増大したり、情報を検索するために時間を浪費したり、ストレスが溜まってしまいがちです。必要な情報だけ入手するようにしましょう。
悲観的なバイアスに注意
不安や恐怖をあおるような情報に影響され、いつもよりネガティブに物事を考えてしまうことにも注意が必要です。扇動的で極端な情報に気をつけて、客観的な意見や信頼性の高い情報を集めましょう。
正常性バイアスに注意
「自分だけは大丈夫」と思い込むことを、正常性バイアスといいます。油断せずに、最低限のとるべき対策は取り入れてください。
わからないことがあって当たり前
不安を解消しようとして情報を集めるのは悪いことではありません。しかし状況やタイミングによってはまだ正確な事実や見解が出されないこともあります。わからないことがあるのは当たり前とし、日々最新情報や信頼できる情報を更新していきましょう。
情報断食をする
スマホやパソコン、テレビから情報を手軽に得られますが、不安や恐怖を感じるニュースや画像から離れることも大切です。必要な情報源をしぼり、過度な情報量に触れないようにしましょう。空いた時間に趣味や家事、仕事などに取り組み、気分転換するのがおすすめです。
症状が悪化する前に病院へ
不眠、食欲不振、過度の不安が強くて改善がみられないときは、早めに心療内科を受診しましょう。病院に行かないとしても、誰かに不安な気持ちを相談すると心が落ち着くことがあります。

おわりに:生活リズムを整えて、情報との付き合い方を考えましょう

悲しい事件や先行きの見えない事態が起きると、不安や緊張を感じるのは自然なことです。不安や緊張によって体の不調などを引き起こすことがあります。生活リズムを整えたり、情報との距離感を適切にとりましょう。

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