高齢者が続けやすい減塩の工夫と食事の整え方
2026/4/29
減塩は味気ない食事にすることではありません
高血圧や心臓病、腎臓病などの予防や管理では、食塩のとりすぎに注意することが大切です。一方で、高齢者の食事では、減塩を意識しすぎて食事がおいしく感じられず、食事量が減ってしまうこともあります。
減塩は、単に塩やしょうゆを減らすことではありません。だし、香り、酸味、食材のうま味を使い、満足感を保ちながら食塩量を整えることが大切です。本人の食欲や持病、生活習慣に合わせ、無理なく続けられる方法を選びましょう。
調味料をかける量を見える形に
食塩は、調理中の味つけだけでなく、食卓で追加するしょうゆ、ソース、漬物、加工食品、汁物にも含まれます。まずは、どこから食塩を多くとっているかを確認しましょう。
しょうゆやソースは、料理全体にかけるより、小皿に少量出してつけるほうが量を調整しやすくなります。減塩しょうゆを使う場合も、量が増えると食塩摂取量は減りにくくなるため、使い方に注意します。みそ汁やスープは具だくさんにすると、汁の量を減らしても満足感を得やすくなります。
漬物、干物、練り製品、ハム、ベーコン、インスタント食品は便利ですが、食塩が多くなりやすい食品です。まったく食べないのではなく、頻度や量を調整し、野菜やたんぱく質食品と組み合わせるとよいでしょう。
香りや酸味を使うと薄味を続けやすくなる
薄味に慣れるには時間がかかることがあります。急に味を薄くすると食事量が減ることがあるため、少しずつ調整しましょう。だし、酢、レモン、ゆず、しょうが、しそ、ごま、カレー粉などを使うと、塩分を増やしすぎずに風味を出しやすくなります。
焼く、蒸す、炒める、香ばしく仕上げるなど、調理方法を変えることも満足感につながります。魚や肉は下味を薄めにし、仕上げに香りのある薬味をのせると、少ない調味料でも食べやすくなります。
味を感じにくくなった人では、口の乾き、義歯の不具合、薬の影響、亜鉛などの栄養状態が関係することもあります。味が分かりにくいからといって濃い味にする前に、口腔内の状態や服薬内容を確認することも大切です。
制限がある人は自己判断で調整しすぎない
心不全や腎臓病などでは、食塩や水分について個別の指示が出ることがあります。家族が一般的な減塩情報だけで判断すると、必要な栄養や水分が不足することもあります。治療中の人は、主治医や管理栄養士の説明をもとに食事を整えましょう。
むくみが急に強くなった、息切れが増えた、体重が短期間で増えた、食欲が大きく落ちた、強いだるさがある場合は、医療機関に相談してください。意識がぼんやりする、呼吸困難がある、胸の痛みがある場合は、速やかな対応が必要です。
減塩は、健康管理のために続ける生活習慣です。おいしさを保ちながら少しずつ薄味に慣れ、食品の選び方や調味料の使い方を整えることが、長く続けるためのポイントになります。











