びらん性胃炎の原因と治療方法とは?「がん」化することはあるの?

2017/11/14 記事改定日: 2018/9/13
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

なんとなく胃の調子が悪いとき、考えられる病気のひとつとして、「びらん性胃炎」があります。今回の記事ではびらん性胃炎の原因や診断、治療法について紹介しますので、胃の不調がある人は参考にしてください。

びらん性胃炎の症状とは?

びらん性胃炎の場合、内視鏡で確認すると、胃粘膜の表面に炎症が起こり、わずかにえぐれた状態になっていて、びらんが生じているのが確認されます。部位では、胃体部(胃の真ん中部分)に生じるのが一般的です。

びらん性胃炎には急性のものと慢性のものの2種類がありますが、その一種に急性ストレス性胃炎というものがあり、その場合は重症であるといえるでしょう。

症状

慢性のびらん性胃炎の場合は、症状がほとんどなく、全くないような人もいますが、急性の場合は出血がみられることがあります。その出血を現す具体的な症状としては、吐血や黒色便がありますが、出血の状態は軽度から中等度までさまざまです。

そのほかの自覚症状としては、消化不良や悪心・嘔吐があり、症状の重い急性ストレス性胃炎では大出血が起こることもあります。

びらん性胃炎の原因とは?

びらん性胃炎も他の胃炎と同様に、胃粘膜が刺激されることによって起こります。具体的な刺激の原因は以下のとおりです。

NSAIDs
非ステロイド系消炎鎮痛薬のことです。痛み止めや解熱剤として処方されます。
アルコール
適量であればかまいませんが、飲みすぎは要注意です。
ストレス
過度なストレスが引き金となることがあります。

以上が主な原因となっていますが、その他にも、放射線、ウイルス感染、血管障害などが原因で引き起こされる場合もあります。消化管粘膜の血流が下がり、胃粘膜の防御機能の低下が起こることが、びらん性胃炎には多く関係しているようです。

びらん性胃炎はどうやって治療するの?

びらん性胃炎の診断は、口または鼻から内視鏡(胃カメラ)を挿入することで肉眼的に行われます。治療法は以下のとおりです。

出血がある場合

内視鏡的止血術という方法で、直接止血します。

消化不良などの症状がある場合

プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬といった胃酸分泌を抑える薬や、胃粘膜を保護する薬などが処方されます。

軽度の場合

アルコールなどの原因物質を除去して、安静に過ごすのが一般的です。また、下記のような消化のよい食事をとることも大切です。

  • おかゆ
  • うどん
  • ささみ
  • 納豆
  • 豆腐
  • 牛乳
  • ほうれん草
  • かぼちゃ
  • バナナ
  • りんご

以上のような食材を用るだけでなく、油を使わない、やわらかく煮込むなど調理法も工夫しましょう。塩分も胃に負担をかけるので、漬物も控えた方が良いです。その他、香辛料やコーヒー、アルコールなどの嗜好品をよく摂取する人は、これを機に、食生活を見直しましょう。

びらん性胃炎は、がん化することはある?

びらん性胃炎は胃炎の中でも胃がんに進行する頻度は高くないと考えられています。しかし、中には、胃がんの初期にびらん病変を呈するものもあります。また、放置すると胃粘膜へのダメージが重症化して胃潰瘍に進行し、さらには胃の壁に穴が開く胃穿孔を生じることもあります。

長引く胃痛や胃もたれなどの症状がある場合は、軽く見ずに病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。

おわりに:胃の不調があるときは、進行を抑えるために早めの受診を心掛けよう

びらん性胃炎には急性と慢性のものがあり、タイプによってはあまり症状が出ないこともあります。ただし、症状がこれ以上進行しないように、早めに治療を開始することが大切です。胃の不調を感じている人は、まずは診察を受けるところから始めましょう。

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