梅雨の時期からは要注意!食中毒を引き起こす菌の種類と特徴②

2017/5/19

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

「食べている間はおいしかったのに、その後あんなに猛烈な下痢に見舞われるなんて…」
―思わず食べたことを後悔してしまうような「食中毒」。湿気の多い時期からは特に注意が必要です。

前回に引き続き、食中毒の原因菌にはまだまだ種類があります。
以下の菌やウイルスにもご注意ください!

ノロウイルス

前回ご紹介したO-157と並んで、日本で有名な食中毒の種類のひとつではないでしょうか。ウイルス性胃腸炎、冬季下痢症、急性非殺菌性胃腸炎などを引き起こす原因菌です。生もの、汚染された水、調理前の食べ物や感染した食品取扱者が触れた後に再加熱していない食べ物、汚染された水から採った魚介類などに含まれていることがあります。
潜伏期間は12~48時間で、吐き気、嘔吐、腹部のけいれん、下痢、発熱、頭痛などを引き起こします(下痢は成人に、嘔吐は子供に多く見られます)。これらの症状はおよそ 12~60時間続きます。

赤痢菌

赤痢を引き起こす原因菌です。生魚や汚染された水、未調理の食べ物、感染者が触った後再加熱していない食べ物などに生息することがあります。
潜伏期間は1~7日で、発症すると腹部のけいれん、発熱、下痢、血便などの症状が引き起こされます。これらの症状は1~2日ほど続きます。

黄色ブドウ球菌

食中毒菌の種類のひとつです。冷やして保管していなかった肉やクリームソース、サラダなどに含まれることがあります。
潜伏期間は1~6時間で、ひどい吐き気や嘔吐、下痢、発熱が主な症状です。これらの症状はおよそ 24~48時間続きます。

A型肝炎ウイルス

A型肝炎を引き起こす原因菌ですが、同時に食中毒も引き起こします。生ものや汚染された水、汚染された水源で捕った魚介類、感染者が触れた生ものに生息していることがあります。
潜伏期間は15~30日と幅広く、発症すると下痢、色の濃い尿、黄疸、インフルエンザのような症状(発熱、頭痛、吐き気、腹痛)が引き起こされます。これらの症状はおよそ2週間~3ヵ月続きます。

クリプトスポリジウム菌

食中毒を引き起こす種類の菌のひとつです。未調理の食べ物や汚染された水に生息していることがあります。
潜伏期間は2~10日で、下痢(通常は水下痢)、胃けいれん、胃のむかつき、軽度の発熱などの症状を引き起こします。これらの症状は、数週間~数ヵ月にわたって緩和と悪化を繰り返します。

シクロスポラ・カイエタネンシス菌

これも食中毒を引き起こす原因菌です。さまざまな生ものに潜んでいる可能性がありますが、特に輸入されたベリー類、レタス、バジルなどに生息していることが多いです。
潜伏期間は1~14日間ですが、1週間程度の場合が多いです。発症すると下痢(多くの場合は水下痢)、食欲不振、体重の大幅な減少、胃けいれん、吐き気、嘔吐、疲労感などを引き起こします。症状は、数週間~数ヵ月にわたって緩和と悪化を繰り返します。

毒素産生性大腸菌

海外での旅行先や帰国後に水下痢や腹部のけいれん、嘔吐などに見舞われる「旅行者下痢症」の主な原因菌です。人の便で汚染された水や食べ物に潜んでいることがあります。
潜伏期間は1~3日で、上記の症状はおよそ3~7日、あるいはそれ以上続きます。

ビブリオ・バルニフィカス菌

生焼けあるいは生の魚介類(特に牡蠣)に含まれることがある食中毒菌です。
潜伏期間はおよそ1~7日で、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、皮膚の内出血や腫瘍が引き起こされることがあります。肝疾患のある人や免疫システムが弱っている人の場合、命の危険が及ぶ恐れがあるので一層注意が必要です。これらの症状はおよそ2~8日間続きます。

おわりに:外食時や旅行先の食べ物にも注意!

食中毒を予防するには、家での調理時の取り扱いはもちろん、外食時や旅行先で食べるものにも注意を向ける必要があります。下痢や嘔吐で苦しい思いをする前に、各種類の食中毒菌が生息しやすい環境を把握し、対策に努めましょう!

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