人には聞きづらいけど知っておきたい!様々な痔の症状や対処法について

2017/6/24

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

痔の辛さを相談したり治し方などを知りたくても、恥ずかしさから中々人には話しにくいという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、知っているようでよく知らない痔について説明します。

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痔とは

痔は肛門の病気の総称で、主な種類としては裂肛(切れ痔)、痔瘻、痔核(いぼ痔)があります。ここでは最も一般的な痔核の治療法を簡単に紹介した後に、主に裂肛(切れ痔)、痔瘻について詳しく紹介します。

痔核の治療法について

軽い痔核の場合、症状を軽くするために自分でできる治療法として、以下のような方法があります。
・便意は我慢せずにトイレに行く
・排便時にいきみすぎない。なるべく短時間で排便する
・便秘を防ぐために食生活を改善する(十分な水分と食物繊維を摂取する)
・入浴する(温浴療法)
・長時間の座位は避ける
・就寝前に患部に市販の痔に効くクリームを塗る又は、座薬を注入する

自宅でケアして効果が見られない場合は医師に相談しましょう。外来でゴム輪でしばる処置、外科的手術、薬剤を注入する硬化療法などの治療が行われます。

裂肛(れっこう)とは

裂肛(れっこう)は一般的に「切れ痔」と呼ばれ、肛門の皮膚が避けることをさします。最も多い症状は肛門およびその周辺の痛みです。また、裂肛はしばしば排便時の痛みや出血の原因ともなります。

裂肛の原因とは

裂肛は通常、排便中の強いいきみにより肛門の出口付近の皮膚が傷つくことによって起こります。排便時のいきみが関係しているため、慢性的な便秘の人に多いです。

また、下痢を繰り返した場合や出産後の人、クローン病(消化管に炎症を起こす疾患の一つ)の人に起こることがあります。

裂肛の診断方法

診断の際はほとんどの場合直腸検査を行います。そこで亀裂を見るための視診と、肛門管の中への触診検査をします。

裂肛の治療法

裂肛の約半数は自然に治癒するため治療する必要はありません。また治療、再発を防ぐ上で大切なのは、原因となる便秘を治療することです。十分な水分摂取、食物繊維の摂取を行い、それでも改善しない場合は便秘薬を使います。

また、裂肛が自然に治癒しない場合は硝酸塩やカルシウムチャネル遮断薬(筋肉の緊張を緩和します)などを成分としたしたクリームを使うと良いでしょう。また、肛門の筋肉(肛門括約筋)にボトックス注射(筋肉の緊張を緩和します)を打つことや、最後の手段として肛門の筋肉を弛緩させる軽い手術を行うという方法もあります。

痔瘻(じろう)とは

痔瘻は肛門の内側と肛門のすぐ外側の皮膚との間にできる隙間から膿が出る疾患です。
できた膿瘍(のうよう)が排便によって悪化する肛門周囲の強い痛みと腫れを引き起こし、しばしば肛門周辺に生じた孔から膿を排出します。

痔瘻の原因とは

痔瘻の主な原因はとして、感染がきっかけになることが多いです。感染が悪化して膿瘍が形成され、膿瘍によって出来たスペースがやがて痔瘻になります。痔瘻の原因として、稀ではありますが、クローン病や裂肛、外傷、STD(性行為感染症)などによって引き起こされることもあります。

痔瘻の症状とは

痔ろうの症状は、肛門周囲の痛みを伴う腫れ、発赤、そして膿の排出、発熱です。

痔瘻の診断方法

痔瘻を診断するためには、視診、触診、肛門指診、肛門鏡検査、各種画像検査(超音波検査・CT・MRIなど)が必要に応じて行われます。

特に大切なのは肛門指診で、直接痔瘻の存在、位置、広がりを確認することができます。

痔瘻の治療法

痔瘻が自然に治ることはほとんどないため、痔瘻の治療として手術が行われます。

ほとんどの肛門膿瘍の治療は病院で局所麻酔に行うことができます。 瘻孔ができた場合、医師が瘻孔を除去します。瘻孔が取り除かれたら抗生物質を服用し、肛門の膿瘍部分にパッドなどをつけて治療していきます。また、症状を和らげるのには腰湯が効果的です。腰まで浸かるようにぬるま湯を浴槽に満たし、1回に約10分間・1日3~4回の腰湯でリラックスすると良いでしょう。その際、医師の指示がない限り石鹸や泡製品などを使用しないでください

おわりに

ひと口に痔と言っても様々な症状があり、それによって対処法も異なります。まずは自宅でケアをし、改善しない場合や痛みなどが強い場合は病院で治療をしましょう。

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