記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康のため、家族のためと言われてもなかなか止められないタバコ。「このままずるずる止められないままなのかな」と思って諦めていませんか?禁煙は確かに難しいものですが、最近は禁煙外来を受け付けている病院も多く禁煙に対するサポート体制は整っています。さらに、最近はドラッグストアで手軽に禁煙グッズを買えるので、それらの助けも借りてみるという手段もおすすめです。
この記事ではおすすめの禁煙グッズとその長所、短所について解説していきます。
禁煙するのは簡単なことではありませんが、禁煙グッズ(処方薬を含む)を利用すると成功の可能性が大きく高まるといわれています。ある調査では禁煙グッズなしの禁煙の成功率が5%だったのに対し、禁煙グッズを使用した場合の成功率は30%でした。
ただし、この調査結果からも分かるように禁煙を成功させることはやはり簡単ではありません。そのため、禁煙を決意したらまず医師に相談することをおすすめします。医師は具体的な禁煙方法や期間についてアドバイスしてくれるでしょう。そして、禁煙グッズに関する質問にも答えてくれるはずです。
ここでは処方箋なしで買えるおすすめの禁煙グッズとその長所、短所についてご紹介していきます。
ニコチンパッチは、皮膚から体内にゆっくりと一定量のニコチンを放出する、小さな粘着性のパッチです。上腕や胸などの「腰から首の間の範囲」で、毛のない部分に毎日新しいニコチンパッチを貼ります。
・一度の使用で、ニコチン渇望と離脱症状をコントロールすることができる。
・他の禁煙グッズと併用することができる。
・ニコチン渇望と離脱症状が減るにつれ、ニコチンの量を徐々に減らすことができる。
・突発的なニコチン渇望や離脱症状に襲われたとき、ニコチンの量を急に増やすことができない。
→ただしその場合、パッチと一緒に他の禁煙グッズや薬剤を使用することで対応できることがあります。
・副作用で吐き気を引き起こすことがある。
→より低用量のパッチを使用することで対応可能な場合もあります。
皮膚のかゆみ、かぶれが起こることがある。
→皮膚の刺激を最小限にするために、パッチを貼る場所を毎回変えるなどで解消が期待できます。
・睡眠障害が起きることがある。
→夜間にパッチを貼らないようにしましょう。
ニコチンパッチは8〜12週間使用するのが一般的です。ニコチン渇望や離脱症状が続く場合は、それよりも長く使う必要がある場合もあります。継続して使用する必要があるときは、医師に相談しましょう。
ニコチンガムには、少量のニコチンが含まれていているので、噛むことで体内にニコチンを取り込みます。ニコチンガムは、ニコチンパッチや他の禁煙グッズと組み合わせて使用できます。最初にニコチンガムを使用し始めるときには、1~2時間に一粒、1日最大24粒まで使うことができます。
ニコチンガムの効果を最大化するためのちょっとした噛み方のコツがあります。
1.ガムからニコチンを出すために、しっかり味がでるまで、もしくは口の中にピリッとした小さな感覚があるまで嚙む。
2.ニコチンを吸収させるために、味を感じるまで、歯茎と頬の間にガムを挟んだままにしておく。
3.ニコチンを出し切るために、しっかり噛み続ける。
約30分間このサイクルを繰り返してから、ガムを捨ててください。ガムに含まれるニコチンの効果を最大限引き出すことができます。
・突発的なニコチン渇望や離脱症状に対応できる
・1日中噛み続けなければいけない
・口の炎症、吐き気、胃の不調、過剰な唾液の分泌や顎の痛みなどの副作用を起こすことがある
ニコチンガムの使用は、最大12週間までが推奨されています。ニコチン渇望と離脱症状が減ってきたら、ニコチンの量を徐々に減らすようにしましょう。
基本的な目的や作用はニコチンガムと同じです。製品にもよりますが、1日使用する量は一般的に最大20個程度までとされています。
・突発的なニコチン渇望や離脱症状に対応できる
・噛む必要がないので、入れ歯や矯正器具などをつけていても使用できる
・1日中なめ続けなければならない。
・吐き気、消化不良、胸やけ、喉の炎症、しゃっくりなどの副作用が起きることもある
禁煙ドロップは、製品にもよりますが、約12週間までの使用が推奨されます。
多くの電子タバコは、普通のタバコよりも少ない量のニコチンを吸引することができると宣伝さています。
ですが、電子タバコでニコチンの量が調整できたとしても、電子タバコを構成する成分の中にはニコチン以外にも体に有害なものが含まれている可能性があります。一部の電子タバコ商品からは発がん物質と考えられているホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの毒性有害物質が見つかったという報告もされています。
電子タバコの安全性に関してはまだ検証の必要があるといえるでしょう。
禁煙するのは誰にとっても大変なものです。医師の助けや禁煙グッズを活用することは、禁煙を成功に導く有力な手段となります。まずは近くの禁煙外来を受診し、医師に相談するところからはじめてみてはいかがでしょうか。医師は禁煙グッズに関しても適したアドバイスしてくれるはずです。今回紹介した禁煙グッズも参考にしながら、禁煙にチャレンジしてみましょう。