記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/7/6 記事改定日: 2018/8/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
肌のかゆみはいつでも腹立たしいものですが、血が出てしまうほどのはげしいかゆみの場合、皮膚掻痒症とよばれる病気かもしれません。その原因、改善方法を紹介していきます。
肌が乾燥しやすい寒い冬に起こりやすく、通常は命にかかわるような深刻な事態になることはありませんが、名前のとおり強いかゆみをともなうのが特徴です。まずは、皮膚科へいって診察をしてもらい、あきらかな原因がなければ、皮膚瘙痒症という診断になります。アレルギー、接触性皮膚炎、感染、アトピー性皮膚炎、虫さされ、水虫…など治療が必要な場合もあるので、自己判断をしないようにしましょう。
ほとんどの場合は、保湿剤(モイスチャライザー)やローション、市販薬(尿素製剤、ヘパリン類似物質など)を用いて家庭で治療することができます。
乾燥によるかゆみのことを皮脂欠乏性湿疹といいます。治療するには、保湿剤(モイスチャライザー)が効果的です。赤みがひどいときには、ステロイド剤も併用します。1日に3〜4回塗ってください。ラベルの記載を確認して、アレルギー反応を起こすおそれが低い低刺激性の保湿剤を選びましょう。好みや環境に応じて使い分けてください。 洗顔や入浴後すぐに塗ると肌の水分を保つことができます。 ただし、あまりに頻繁な入浴はかえって肌の乾燥につながります。ぬるめのお湯に短時間つかるか、シャワーにするようにしましょう。 乾燥肌用の入浴剤を入れるのもよいかもしれません。手の乾燥がひどい場合は寝る前にワセリンを塗り、綿製の手袋をつけて就寝しましょう。脇の下やデリケートゾーンなどは常に清潔に保ち、弱酸性の石鹸で毎日洗いましょう。 足元を塗るときは滑って転ばないように、水分を拭いてからにしてください。
皮膚のかゆみに効果のある薬は様々な種類のものが市販されています。もちろん薬局やドラッグストアーなどで医師の処方を必要とせずに購入することができるので、かゆみに悩んだときの強い味方です。
代表的な市販薬としては、かゆみ止め成分が豊富に含まれているオイラックス®やメンソレータム®、レスタミン®コーワなどの軟膏です。また、掻きむしることで皮膚にダメージがあるような場合には、フルコート®などの抗炎症作用のある軟膏もおすすめです。
広範囲の皮膚に使用したい場合には、ユースキン®Iローションやムヒ®ソフトなどのローションや液体タイプのものがよいでしょう。
頭皮や外陰部など特殊な部位専用のかゆみ止めもありますので、これらの部位にかゆみを生じる場合には、その部位専用の薬を選ぶようにしましょう。
しかし、市販薬はあくまで一時的にかゆみを止める効果しかありません。皮膚搔痒症には思わぬ病気が原因となっている可能性もありますので、長引くかゆみに悩んだときには必ず病院を受診して診察・治療を受けるようにして下さい。
乾燥による痒みの場合、まずは保湿剤だけで十分です。症状の改善があまりみられないときは、弱いステロイド剤を併用します。それでも効果のない場合、抗ヒスタミン薬を内服しますが、必ず事前の医師の確認が必要です。 乾燥した肌はさまざまな菌に感染しやすくなり、 感染すると赤み、発熱を生じてしまいます。 自分の肌の状態、生活で使用している洗剤や石鹸の選び方、加湿器の設置など、必要なアドバイスも受けるとよいでしょう。