記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/15
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
テニスの世界最強王者ジョコビッチが、
その名を一躍有名にした、「グルテン」。
グルテンアレルギーに気づき、食事を変えたら、生活も成績も「激変」!
ということで、食事について書いた本はベストセラーになりました。
そのグルテンって、そもそも何かといえば、
パンとか麺のモチモチ感を出している小麦の成分。
つまり、おいしさの元ですね。
しかし、その美味成分を消化吸収ができない人がいて、アレルギーを起こすことがあります。
それが、今回紹介するグルテンアレルギーです。
このグルテンアレルギー、実は、特殊なアレルギーというわけでもありません。グルテンアレルギーには、以下の様な症状があります。
・頭痛になる
・落ち込む
・集中力が出ない
・皮膚に湿疹ができる
・下痢になりやすい
このような症状の原因が、小麦の「グルテン」だとしたら・・・
パンや麺類を食べることによって、上のような症状や、お腹が張ったり、ガスが大量に溜まるようなら、小麦に「敏感」である可能性があります。
この場合、小麦をやめたり、パンや麺の種類を変えると、良くなる可能性があります。
専門家によれば、生まれつきの小麦アレルギーはほとんど例がないそうです。しかし、現在、大量の農薬散布や残留農薬のためか、小麦のアレルギーに悩んでいる人が増え、パンや麺類、シリアルのような小麦を原料とした食品を避けるようになっています。
食物アレルギーの権威であるアレルギー専門栄養士イザベル・スカイパラ博士は、以下のように言います。
「患者の3分の1は、パンを食べた後に、お腹の張り、下痢、嘔吐、胃痛といった消化器の異常を訴えています。
すべてがアレルギーのせいではありませんが、パンに関連する症状は確かに存在するし、小麦が原因の症状もあります。」
小麦に起因する3つの健康問題があります。
・グルテンアレルギー
摂取後数分で、反応がはじまり、かゆみ、くしゃみ、喘鳴が出ます。
・セリアック病
小麦、大麦、オート麦、ライ麦など含有するグルテンによって、腸の内壁がグルテンを吸収できず、損傷を受ける状態です。
・グルテン過敏
小麦を食べて数時間後にお腹の張り、けいれん痛、下痢、吐き気などの症状が起こります。
症状が重度で長引く場合(血便、嘔吐、胃がけいれんするような痛みを感じる)は、病状を取り除くために病院で診断を受けてください。
小麦を食べた後に、お腹の張りやその他の軽度の異常を感じるのであれば、前出のイザベラ博士は、食事療法を試すことを勧めています。4週間、小麦を完全に断った後、症状が再び現れるかどうか確認するために徐々に小麦を摂る療法です。
「小麦を原料にした食べ物の場合、パン食を再開する前の数日間は、まずシリアルやパスタを食べます。パンには塩とかバターとか他の成分がたくさん含まれているので、より純粋な形の小麦から始める方が良いです」と説明します。
異常が再発すれば、アレルギーか過敏のどちらか確認できます。どの食べ物が問題なのかということもわかります。
例えば、パスタを食べた時点で異常が起こる人もいれば、パンを食べるまでは大丈夫な人もいます。アレルギー、過敏、グルテンの消化に問題がある場合、症状を和らげる主要な方法は、完全に小麦抜きまたは部分的に小麦抜きの食事にすることです。
小麦を含む食品
・パン
・うどん
・ラーメン
・パスタ
・シリアル
・クスクス
・ケーキ
・クッキー
・パイ
・ビスケット
・ドーナツ
・ビール
・しょうゆ
小麦を含まない食品
・米
・コーンフレーク
・そば
・キヌア
グルテンはタンパク質の一種で、さまざまな食品に含まれている栄養素。このグルテンを摂取することで、人によってはアレルギーを引き起こすこともありもいます。
アレルギー症状は人それぞれですが、重度に苦しむケースは少なく、たいていの場合は、少し体調が悪いと感じる程度です。
しかし、体調が悪い原因は小麦だと思う人はまずいないため、体調不良にずっと悩まされることになります。
病院に行ったとしても、グルテンアレルギーを検査する方法はあるにはあるんですが、高額で保険も利かないので、一般的ではありません。
グルテンアレルギーの場合、悪化するとセリアック病という難病を引き起こすため、本来であればいち早く対応が必要なんですが・・・。
そこで、グルテンフリーダイエットを試してみてください。米が主食の日本人にとっては、そんなに難しくないはずです!