意外と生活習慣やストレスが主な原因! お腹の健康を守る方法

2017/6/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

お腹が痛い時に、すぐに医者にいく人は少ないのではないでしょうか。それぐらい胃腸の痛みはポピュラーで日常的なものになっています。
今回は、自分でなんとかできてしまう腹痛と、そのための薬の使い方、医師にみせるべき症状についてご紹介します。

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一般的なお腹(消化器)の問題と治療方法


便秘や下痢、胸やけ、鼓腸、消化不良といった症状は非常に一般的な症状です。通常は生活習慣で改善可能で、治療には医師の処方箋は不要なことが多いでしょう。
ロンドンのユニバーシティー・カレッジ・ホスピタルのコンサルタント胃腸鏡専門医、アントン・エマニュエル博士によると、約40%の人々が少なくとも1つの消化器症状を抱えているといいます。

お腹が異変を生じた際の、もっとも一般的な症状は以下のとおりです。
・腹痛
・排便習慣の変化(通常、便秘または下痢)
・消化不良
・胸焼け
・過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛、お腹の張り、下痢または便秘のいずれか1つもしくは両方の症状が起こっている状態を含んでとらえた症候群ですので人によって症状は様々です。身体的不快感および精神的苦痛を引き起こすことがありますが、大腸を損傷することはありません。 腸管を損傷する潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患とは異なるものです。
IBSはありふれた症候群であり、女性に頻繁に起こるといわれています。

エマニュエル博士は言います。「ほとんどの消化器系の問題は、生活習慣や食べ物、ストレスと関連しているため、生活習慣を変えることがこれらの問題の多くを解決し、予防することにつながります。
また、胸やけ、消化不良などは、薬局で販売している薬が、症状の短期的な軽減に非常に役立ちます」。

処方薬にはお腹の不調を引き起こす薬がある


医者が処方する薬のなかには、お腹の調子を悪くし、消化不良、下痢、または便秘などの副作用を起こしてしまうものがあります。
潰瘍がある場合や消化不良になった場合は、アスピリンや関節炎の治療に使われる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を使用しないようにしましょう。これらの薬をよく使っている人で消化不良や潰瘍になりやすい場合は、医師に相談しましょう。

また、ある特定の精神安定剤や鎮痛剤、鉄剤、咳止め薬は便秘の原因となり、抗生物質や血圧の薬を飲んでいる場合は下痢を起こすことがあります。
処方薬によってお腹の調子が悪くなった場合は、必ず医師に相談してください。

医師の診断を受けるべきとき


通常、消化器系に起きた症状は無害なことがほとんどであり、自分で落ち着かせることができますが、なかなか症状が良くならない場合や、なかには深刻な病気のサインで起こる不調もあります。

エマニュエル博士は、薬局で購入した消化器系の薬を2週間服用しても改善しなかった人に、かかりつけ医に診てもらうよう助言しています。
また、すぐに医者に診てもらうべき5つの症状を挙げているので参考にしてください。これらの症状は、重篤な消化器系疾患の警告である可能性があります。

・腸の動きの突然の持続的な変化
・尻(肛門)からの出血
・悪化する胸やけ、消化不良または胃の痛み
・突然体重が減る
・ものを飲み込みづらい

おわりに:ストレス解消で痛みが解消されることも

長引くお腹の不調は、もしかしたら、ストレス解消方法を見つけることで改善する場合があります。

脳と腸は密接につながっていて、ストレスや不安、うつ状態があると、下痢のような症状を悪化させることがあるのです。
例えば、瞑想や運動、あるいは穏やかな呼吸練習などで、リラックスする方法を探してみてもよいでしょう。

ただし、肉体的な痛みが長く続いたときは、医師に相談することをおすすめします。

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