家族の健康を守るため!家の中に住むダニを退治!

2017/6/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

家に住む小さな虫、イエダニ。この虫は人間にとって害虫であり、さまざまな病気やかゆみ、アレルギーを引き起こします。
イエダニがもたらず害を知っておきましょう。とくに子供のいる家庭では、必須の知識です!

イエダニとは何ですか?

イエダニの体長は約0.25mmであり、ペットやヒトのふけ(家の空気中や床面上の死んだ皮膚細胞)を食し、排泄物はアレルギーや喘息の主要な原因となります。

ダニアレルギーの症状は、くしゃみ、鼻水、かゆみ、鼻づまりなどです。喘息患者の場合は、イエダニが原因で喘鳴発作がひどくなり、より多くの喘息薬が必要になることもあります。
夜、イエダニが蔓延しているベッドで寝ると、ひどい喘息発作が起こる可能性があるので注意が必要です。 家族の誰かがアレルギー、あるいは喘息を持っている場合、家庭のイエダニの数を減らすことは、非常に重要なことといえるでしょう。

イエダニは暖かく湿気の多い埃のたまった場所を好みます。ベッドの枕、マットレス、カーペット、家具は、イエダニが住むのに最適な場所です。 これらの場所のひとつひとつをきれいにすると、家にいるイエダニの数に大きな違いが出るでしょう。

駆除するために何からはじめるべきですか?

ベッドルームから始めましょう。イエダニのほとんどはマットレスに住んでいます。マットレスをしっかりと織られた防塵カバーで覆いましょう。シーツと毛布はなるべく毎週熱湯で洗ってください。枕を毎週洗浄するか、或いは防塵カバーをつけましょう(枕カバーは防塵カバーの上に被せる)。

シーツや毛布の洗濯をする際に使用する水の温度は、55℃~60℃が理想的です。ただし、50℃以上の水は子どもが火傷をするので、温水器の設定温度としては高すぎてしまい、不都合があるかもしれません。この温度に温水器を設定したくない場合は、クリーニング店でシーツや毛布を洗うようにしましょう。

寝室の床材は、カーペットではなく硬材、タイルまたはリノリウムであることが望ましいといわれています。イエダニは、カーペットで急速に成長します。やむを得ずカーペットを使用する場合は、コンクリートの上に敷かないようにしてください。これは、敷物とコンクリートの間の暖かい空間がダニの生息に適しているためです。

他にどんなことができますか?

カーペットや室内装飾品を毎週掃除することは効果的でしょう。高効率フィルタを備えた掃除機はより多くのイエダニを吸いますが、標準的な掃除機でも十分効果があります。パディング仕様ではないプラスチック製、または木製の家具は、ダニの数を抑えるのに役立ちます。
また、イエダニは暖かく湿気の多い場所を好むので、除湿器を使用しエアコンを稼働させて家の中の湿度を低く保つようにしましょう。また、空気清浄機で空気中のダニを減らすことも大切です。

棚や窓ガラスなど、ほこりがたまりやすい場所は1週間に1度は湿らせた布で拭くようにしてください。子供がアレルギー体質での場合は、洗濯機で洗えるぬいぐるみを購入してあげましょう。

アレルギー薬の効果はありますか?


市販や処方箋のアレルギー薬は、アレルギー症状をコントロールするのに有効とされます。
ただし、イエダニによって喘息症状が悪化している場合や通常よりも多くの喘息薬を服用している場合は、必ず医師に相談してください。

おわりに:目に見えないだけに、気合を入れて退治しましょう!

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと言いますが、アレルゲンの代表格と言えるのがダニです。金属やゴム、化粧品などと違って目に見えないところが手ごわい相手といえるでしょう。
しかし、自分や家族の健康を守るためにも、日頃からダニのいそうな場所を清潔に保つようにしてください。また、ぬいぐるみはイエダニの温床です。子供のいる家庭ではとくに注意が必要です。

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