記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/13 記事改定日: 2018/3/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
生理の前にさまざまな不快症状が現れる「PMS」。今回の記事ではサプリやアロマ、食事療法など、自分でできるPMS対策をいろいろとご紹介していきます。
PMS(月経前症候群)とは、生理前にイライラや抑うつ、頭痛、疲労感、胸の張り、不眠などの不快症状が現れることです。原因は明らかになっていませんが、生理周期のホルモン量の変化と一部関連していると考えられています。PMSはストレスなどの心理的な問題がきっかけではありませんが、症状悪化の原因になる可能性があります。
PMSの症状の出方は人それぞれで、仕事に行くのがつらく、日常生活に支障が出るほど重度の人もいれば、日常生活に支障はないけれど少し辛さを感じる程度の人もいます。前者の場合は婦人科で専門治療を進めることが重要ですが、後者の場合は気軽に試せるサプリメントもおすすめです。
具体的には、下記のサプリがPMSに有効と考えられています(サプリでのPMS治療は安全性が確立されたものではありません。過剰に摂取すると副作用を引き起こす可能性があります)。
ビタミンB2はニキビや吹き出物の予防に、ビタミンB6はむくみや貧血、肌荒れの予防に、ビタミンB12は貧血症状や眠気の予防にそれぞれ効果があるとされます。
イライラや情緒不安定は、カルシウムやマグネシウムを摂取することで緩和しやすくなると言われています。
亜鉛は女性ホルモンを活性化させる作用があるとされます。
チェストベリーは西洋ハーブの一種で、イライラや抑うつ、胸の張り、頭痛などのPMS症状の緩和に効果的と考えられています。
ピルなどの投薬治療が合わなかった方で、アロマテラピーによってPMS症状が緩和したというケースもあります。アロマを取り入れる際は症状に適したオイルを選ぶことが大切で、イライラや無気力といった精神症状にはラベンダーやゼラニウム、ローズ、腰痛やむくみにはグレープフルーツやペパーミント、頭痛や肩こりにはローズマリーやペパーミント、腹痛にはベルガモットやイランイラン、ゼラニウムなどが効果的と言われています。
(アロマでのPMS治療も、サプリ同様に安全性が確立されたものではありません。)
実はPMSは、食事内容を改善することで症状が緩和する場合も少なくありません。詳しくは下記を参考にしてください。
PMSを緩和する食べ物としておすすめのものは、以下の通りです。
・牛乳、チーズなどの乳製品、小魚、小松菜:カルシウムとビタミンDが豊富で、イライラやむくみを緩和する効果があります
・ナッツ類、大豆製品:ホルモンバランスを整えるビタミンEや、神経の興奮を抑えるマグネシウムが豊富に含まれています
・野菜、果物、海藻、きのこ類:利尿作用のあるカリウムが豊富で、むくみ解消につながります
・レバー、ひじき、納豆、赤身肉:鉄分が豊富で、PMS症状の緩和に効果的とされます
・ごぼう、おから、雑穀、サツマイモ:PMSは血糖値の急な上昇により悪化しやすいのですが、これらの食品は食物繊維が豊富で、糖の吸収が穏やかになります
・塩分が多いもの:むくみが悪化しやすくなります
・ケーキなどの砂糖菓子:血糖値が上昇し、PMSが悪化しやすくなります
・油っぽい食事:ニキビができやすくなります
・コーヒー、お茶、お酒:カフェインやアルコールは神経を刺激し、イライラさせやすくします
PMSは、健康的な食事や定期的な運動、服薬で改善が期待できます。症状のレベルに応じて薬が処方されることもありますが、最適な治療法を見つけるため、複数の薬を試す必要があるかもしれません。処方薬には、利尿薬、抗うつ薬、ピルなどがあります。
利尿薬は余分な塩分や体液の排泄をサポートし、腹部膨満、体重増加、胸の痛みと腹痛を緩和します。通常、症状が起きる直前に服用されます。
抗うつ薬は、重度の過敏症、うつ病、不安感に効果があります。 通常、毎日服用します。
避妊薬は、周期を通してホルモン量を均一にします。服用することで症状が改善される女性もある程度いますが、副作用を引き起こす可能性があり、また、すべての女性に効果があるわけではありません。
アロマやサプリに関してはまだ安全性が確立されていない側面はありますが、PMSの悪化には、日々の栄養バランスの偏りが関係していると考えられています。早速毎日の献立を見直してみてはいかがでしょうか。