記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本人の2人に1人が生涯でがんにかかると言われます。「がん予防」を心がけることは決して他人事ではなく、誰もが取り組むべき課題といえるでしょう。いっぽうで、国立がん研究センターの発表によると、がんの死因は男女ともに喫煙や感染症などが60%近くを占め、これらは予防可能であったとしています。たばこ、飲酒、食事など、がんは日常生活の影響と関わりが深く、規則正しいものにあらためていくことが「がん予防」にとても重要になってきます。
ここでは、がんを予防するための生活習慣について解説します。
WHOや国立がん研究センターでは、がん予防のためには特定の方法のみを重視することよりも、バランスよく取り入れながら健康的な生活習慣を確立することを推奨しています。
日本では男性のがん死亡要因の1位を占めています。喫煙している人にとっては何より禁煙が大切です。禁煙を始めるのが早ければ早いほど、がん発生リスクを減らすことができるとされています。保険診療による禁煙補助薬も場合によって使用可能なので、ぜひ禁煙に取り組みましょう。また、受動喫煙による健康被害もあるので、たばこの煙には近づかないようにしましょう。
しばしばメディアなどで特定の食品が効果的として取り上げられますが、がん予防の前提となるのは栄養バランスのとれた食生活です。糖分や塩分を控え、ビタミンや食物繊維などを意識的に摂取することで、健康的なからだづくりを進めていくことができます。
体を適度に動かすことでホルモンのレベルを正常に保ち、腸がん、乳がん、子宮内膜がんのリスクを減らすことができます。肥満はがん以外にも心臓病や高血圧の原因ともなるため、健康的な体重維持に努めることが重要です。1日60分程度のウォーキングを行うようにしましょう。一度で出来ない場合は何回かにわけて運動を行うことも有効とされています。
口腔がん、咽頭がん、食道がん、直腸がん、乳がんはアルコールの過剰摂取との関わりが強いとされています。飲酒量はほどほどにし、休肝日を設けるようにしましょう。アルコール量に換算して約20g程度まで。日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度を目安にしましょう。
皮膚がんを予防するには、日ごろの日焼け対策が重要です。激しい直射日光を避けるため、長袖のシャツや帽子、サングラスを着用を心がけ、午前11時から午後3時までは不要な外出は控えるようにしましょう。 屋外に出るときは、SPF(紫外線防御指数)15以上の日焼け止めを使い、特に肌が敏感な子供の日焼け対策は欠かさないようにしてください。
今日から健康習慣を実践しようとして、いきなり好きな食べ物をいっさい食べないようにしたり、ハードな運動を実践したりすることは控えましょう。ハードすぎる運動はかえって健康を損なってしまう原因になることもあります。また、肥満防止のために過剰にダイエットをしてしまったことで、痩せすぎて免疫力が低下し感染症にかかりやすくなってしまっては意味がありません。特定の対処法だけに頼るのではなく、自分のできる範囲で生活習慣をバランスよく改善していき、少しずつ習慣化させていくことが大切です。日々の情報に振り回されないように注意しながら、無理なく健康をめざしましょう。