記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/7 記事改定日: 2018/6/19
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
突然下痢するようになり、強い吐き気や嘔吐がある...
このような急な下痢や嘔吐はウイルス性胃腸炎の症状の一つです。ウイルス感染を原因とするこの胃腸炎は非常に一般的で、通常悪化することなく数日以内に自然に治癒します。この記事ではウイルス性胃腸炎の症状や対処法、予防に関して解説していきます。
ウイルス性腸炎は嘔吐や下痢を引き起こす、非常によくみられる病気です。胃腸炎の原因の多くはウイルスであり、子供がかかりやすい傾向にあります。
子供の場合はロタウイルスというウイルスが原因になることが多く、大人の場合はノロウイルスが原因になることが多いです。
ウイルス性腸炎の症状には、下痢や嘔吐のほかにも発熱や頭痛、腹痛、四肢の痛み、寒気、食欲不振などがあります。症状は通常、感染後1日で現れ、数日間続きますが、自然に治癒する場合がほとんどです。しかし、以下に挙げるような症状がある場合は、ウイルス性腸炎以外の疾患の疑いもあるので、医師に相談しましょう。
また、衛生状態の良くない国や地域に渡航していた場合も医師に相談する必要があります。
嘔吐と下痢とあわせて関節痛や筋肉痛、発熱などの症状があるときはインフルエンザの可能性があります。特にインフルエンザB型は嘔吐や下痢と言った消化器症状を引き起こすことが知られていますので注意が必要です。
また、アデノウイルスやノロウイルスなどのウイルス性感染症や、カンピロバクターなどの細菌性食中毒でも同様の症状が現れることがありますので、このような症状が現れてときは感染対策を徹底するようにしましょう。
突然下痢や嘔吐といった症状が現れたらウイルス性腸炎の可能性があります。症状が良くなるまではできるだけ外出しないようにしましょう。ウイルス性腸炎は非常に感染性が強く、嘔吐物や感染者が触れたものから他の人が感染してしまう恐れがあります。また、感染者を看病することで腸炎になってしまうこともあるので、感染者の家族も注意が必要です。感染者やその家族は、手洗いや使っているものの消毒(食器、トイレなど)を徹底し感染を広げないよう心がけましょう。
療養中は下痢や嘔吐による脱水症状を避けるためしっかり水分を補給しましょう。水分は水、ジュース何でもかまいませんが、脱水症状にならないためには経口補水液などの活用をおすすめします。また、熱や体の痛みがあるときは解熱剤や鎮痛剤の服用が有効なこともありますが、自己判断で服用することは避け、医師に相談してから服用するようにしましょう。食欲が回復してきたらおかゆなど食べやすいものから食べ始めてください。
ウイルスの感染を完全に避けることはできませんが、ここでご紹介する方法でウイルスの感染をある程度予防できます。
もし突然の下痢や嘔吐に襲われたら、ウイルス性腸炎の可能性があります。腸炎の可能性があるときは下痢や嘔吐による脱水症状を避けるためしっかり水分補給しましょう。また、これ以上感染を拡大させないためにも、手洗いを徹底し、むやみな外出を避けるようにしましょう。ウイルスの感染予防には、普段から手洗いの徹底や掃除、食品管理における衛生に気を使うことが大切であり、小さな子供についてはロタウイルスワクチンの接種をさせるなどの対策もとってあげてください。
※ロタウイルスワクチンは、2020年10月1日から定期接種となります。
▼ 厚生労働省 ロタウイルスワクチンQ&A(2020年8月出生の方についての注意事項)