記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腟カンジダは女性特有の真菌感染症で、腟周辺のかゆみや発赤、腟分泌液などが見られます。
通常は市販薬の使用で治るとされていますが、初めて症状が現れたときや発症を繰り返す場合は注意が必要です。
また、腟カンジダになると、セックスのときに女性側が不快感を感じたり痛みを感じたりすることもあります。
ここでは、腟カンジダ症の治療方法と予防方法について解説します。
膣カンジダは膣口の組織である腟や外陰部の刺激、腟分泌物および激しいかゆみを引き起こす真菌感染症で、腟の炎症の一種です。症状によっては不快感を伴いますが、通常は市販の薬や婦人科医師の処方薬で治療することができます。
典型的な症状として以下のものがあります。
・腟入口付近のかゆみや痛み
・陰唇のかゆみ
・腟分泌物がでる(通常無臭で、厚くて白いか薄くて水っぽい)
・セックス中の痛み
・排尿時の刺すような感覚
・腟周囲の皮膚が赤く腫れる・ひび割れる
皮膚に傷が見られることもありますが、その場合は性器ヘルペスに罹っている可能性が高いので注意が必要です。
腟カンジダ症はカンジダという真菌によって引き起こされます。多くの女性は腟内にカンジダを有していますが、通常の場合は特に問題を起こしません。しかし、腟内の微生物の自然なバランスが崩れてカンジダが繁殖してしまうと、カンジダ症を発症します。
・20代~30代である(カンジダ症は初潮を迎えていない女児と閉経を経験している女性ではあまり一般的ではありません)
・妊娠している
・抗生物質を服用している
・糖尿病のコントロール不良
・免疫系が低下している(たとえば、HIVまたは化学療法の治療中のような状態)
腟カンジダになってしまってもペッサリー、腟内クリームや軟膏、またはカプセルの形態で入手可能な抗真菌薬での治療が可能なため、あまり心配しなくてもいいでしょう。
軽度のものは抗真菌薬を使って短時間で治療でき、症状は通常1~2週間ほどでなくなります。
ただし、再発が繰り返される場合は治療を長期間続ける必要があります。また、妊娠中及び授乳中の女性はカプセルを服用すべきではありません(おそらくペッサリーまたは腟内クリームや軟膏を使用することを勧められます)が、通常は好きな治療法を選択することができます。
繰り返し発症してしまう場合は、以下の方法を試して腟カンジダを予防しましょう。
水とエモリエント(保湿)石鹸を使用して腟の周りの皮膚を清潔にしましょう。ただし、乾燥を防ぐために1日に2回以上の洗浄は避けてください。
患部を保護するために、腟周辺の肌に保湿剤を1日に何度か塗布しましょう。ただし、セックス時に使用すると、コンドームの効果を弱める可能性があるので注意が必要です。
強い香りのついた石けん、シャワージェル、腟デオドラント、ワイプおよび洗浄器などの刺激物は避けましょう。
体を締め付けるような下着やタイツを着用を一旦やめましょう。
腟カンジダは婦人科や市販の薬で治せる場合がほとんどですが、かゆみや腟分泌、セックス時の痛みなど、不快な症状があります。発症した場合はなるべく早く病院に行くようにしましょう。特に再発を繰り返している場合は婦人科で適切な治療を受けることをおすすめします。
また、普段から腟や腟周辺を清潔に保ち保湿することなども大切です。