喫煙者は要チェック! 肺癌の治療法について

2017/7/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

肺癌の死亡率は年々減少傾向にあるとされていますが、罹患率は横ばいもしくは増加傾向にあり、治療には経済的な負担が生じます。特に喫煙者は、予防のための生活習慣の見直しは重要だといえるでしょう。
この記事で肺癌の治療について学び、肺癌への理解を深めていきましょう。

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肺癌の治療法とは

肺癌の治療は、以下のいくつかの要因によって決まります。
・癌の種類
・癌の大きさと位置
・癌の進行度合い(ステージ)
・患者の年齢や健康状態

治療法としては手術、放射線療法、化学療法などが代表的です。
上記の要因を加味しながら、必要に応じて複数の治療方法を組み合わせながら最適な治療を行います。

3つの肺癌の治療方法について

治療を決める際は、治療することのメリットについてはもちろん、副作用や治療中と治療後に自分自身に起こる変化についてなど、治療に関わることの詳細をできる限り医師に説明してもらい、十分納得したうえで決めるようにしましょう。
後悔をしないためには、セカンドオピニオンを検討することも重要です。

以下に具体的な治療法を紹介します。

手術

手術では、胸や脇を切開し、罹患した肺の一部または全部を除去します。癌が転移している可能性があると考えられる場合は、近くのリンパ節も切除します。

手術には、肺の1つの葉(右肺には3つの葉、左肺には2つの葉があります)を切除する肺葉切除術と片側の肺を全て摘出する肺全摘除術があります。癌の広がり方の状況によって、適した方法が選択されます。また、楔状切除術または部分切除術という手術もあります。これは癌は小さく肺の1つの領域に限定されている場合にのみ適用されます。

放射線治療

放射線療法は、放射線によって癌細胞を破壊し腫瘍を縮小する治療です。場合によっては化学療法と併用して行うこともあります。癌全体の制御を目的とした放射線治療(したがって腫瘍がある程度限局している必要があります)を根治的放射線照射とよび、それに対して症状の緩和あるいは局所的に腫瘍の縮小を目的とした治療を緩和的放射線照射と呼びます。
また、放射線療法は、根治が不可能な場合に症状を抑制し癌の進行を遅らせることも可能です。

放射線治療の副作用

胸部への放射線治療の副作用は下記のとおりです。
・胸の痛み
・倦怠感
・血痰が付いた痰を引き起こす可能性がある咳が続く
・嚥下困難(嚥下障害)
・日焼けのような皮膚の赤みおよび痛み
・胸毛の脱毛

・放射性肺臓炎

これらの副作用は放射線療法が完了した後に徐々になくなります。

化学療法

肺癌の化学療法は、さまざまな薬剤を組み合わせて行われ、投薬は多くの場合は点滴を通して行います。一部の患者にはカプセルや錠剤を服用することもあります。
治療は通常1つのサイクルで周期的に行われ、数日間化学療法薬を服用し、その後体を回復させるために数週間休憩する場合がほとんどです。

なお、肺がんの治療の進歩は著しく、現在はさまざまな新しい薬剤が使用可能となっています。
中には免疫チェックポイント阻害薬といって別の作用機序で働く治療薬もあります。

化学療法の副作用

一般的な抗がん剤の副作用としては主に疲労、吐き気、嘔吐、口腔潰瘍、抜け毛などが知られています。
これらの副作用は治療が終わると徐々に消えていきますが、化学療法中に副作用を緩和するための薬を服用する場合もあります。

また、化学療法は免疫系を弱めるので感染症に罹りやすくなる傾向が高いです。治療中に38度以上の熱があるなど、感染の兆候がある場合や気分が悪いと感じる場合はできるだけ早くケアチームや医師に連絡してください。

おわりに:後悔のない治療を選ぶために

肺癌治療には様々な方法があり治療方法の選択肢は日進月歩で変化しています。
それぞれの特性はもちろん、副作用や費用などの面も医師から詳細な説明を受け、自身が取り組みやすい治療法を選択することが重要です。

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