記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
小さい子供の咳が止まらなくて、ゼーゼー苦しそうにしていると、見ていてつらくなります。何とかしたいと思いますよね。咳がひどくて、呼吸困難になりそうな場合は、夜間救急や耳鼻科や小児科への受診、吸入などの手当てが必要です。子どもの喘息(小児喘息)は、赤ちゃんにも起こるものです。その症状とはどんなもので、どんな治療を施せばよいのでしょうか?この記事では、小児喘息の症状や治療などについて2回に分けてお伝えします。
喘息は、どの年齢でも(高齢者であっても)発症することがあります。しかし、多くの子供が、5歳までに最初の発作を起こすといわれています。
すべての子供が同じ喘息症状を起こすわけではありません。また、同じ子供でも発作の度に症状が違う場合もあります。
喘息が疑われる兆候および症状を、以下に挙げます。
・頻繁な咳が続き、それが日中の活動中や夜、笑ったり泣いたりしている間にも起こる
・慢性の咳(咳しか症状が出ないこともある)
・活動中の運動量が少ない
・呼吸が促迫している
・胸の圧迫感や胸の「痛み」を訴える
・呼吸するときに笛を吹いたときのような音がする(喘鳴と呼ばれる)
・息切れ
・衰弱して元気がない
上記の症状がひどい場合は、夜間救急や耳鼻科や小児科への受診、吸入などの手当てが必要です。
子供の喘息にはいくつかの症状があり、適切な治療のために呼吸を悪化させる原因を調べる必要があります。
子供の喘息の発症リスクには以下のものがあります
・アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎がある
・喘息またはアレルギーの家族歴
・頻繁な呼吸器感染症
・出生時低体重
・産前か産後にタバコの煙にさらされる
どの年齢の子供でも、先ほど示したトリガーを避け、薬を使って毎日の喘息症状を監視します。喘息がある子供は、常にタバコの煙から遠ざけるようにしてください。
薬を適切に使うことは、適切な喘息の症状を管理する基礎になります。
子供の病歴と喘息の重症度に基づいて医師は喘息行動計画を作成します。
この計画では、子供が喘息薬をいつ、どのように服用すべきか、喘息が悪化するときに何をすべきか、そして子供のための救急医療をいつ受けるべきかを説明しています。計画をしっかり確認し、不明点があれば医師に質問しましょう。
喘息行動計画は、喘息をうまくコントロールするうえで重要です。子供に、毎日の喘息管理計画を思い出させるだけでなく、子供が喘息症状を発症したときの指針にするためにも、常に手元に置くようにしてください。
保護者や保育園・学校の先生は喘息行動計画のコピーを常に持っておくと良いでしょう。そうすることで、自宅以外の場所で喘息発作が起こった場合でも、適切な対処ができるでしょう。
喘息は完治はできませんが、症状を抑えることは可能です。
日常生活における喘息治療の目的を列挙しました。子供の喘息治療では、以下のことに注意しましょう。
・活発な、正常な生活を送る
・厄介な症状を予防する
・毎日学校に通う
・夜間の喘息症状を避ける
・毎日の活動、遊び、スポーツに従事する
・医師、夜間救急、病院へ緊急で飛び込む必要がなくなる
・副作用がほとんど、もしくはまったくなく喘息を抑える薬を使い、その量を調節したりする
子供がこれらの目標に到達できない場合、医師に連絡してアドバイスを受けるべきです。
喘息についてや喘息を抑える方法を保護者が学ぶことが、子供の喘息を管理するうえで重要なになります。
子供の喘息ケアチームと協力しながら、喘息についての正しい知識、喘息のトリガーを避ける方法、喘息の薬の効果、子供に喘息の治療を正しく受けさせる方法についてを学びましょう。
幼児の肺機能や喘息について、あまり多くのことは知られていません。幼児はウイルス感染などによって起きる細気管支炎などで喘息に似た症状を起こしますが、実際は喘息ではないということがあります。専門家は、子供が7歳以上になると実際に喘息である可能性が高くなると考えています。
しかし、喘鳴が多発している場合や、母親に喘息やアレルギーがある場合は、やはり喘息である可能性が高まります。
さらに、気道や気管支が過敏になると、生涯にわたってその過敏さは残ります。子供のうち約50%が、青年になるまでに喘息症状が明らかに減少し、喘息から「卒業している」ように見えることがありますが、こうした子供の中には大人になってから喘息を再発する人もいます。
残念なことに、どの症状が青年期の間に減り、どの症状が後年に再発するのかを予測する方法はありません。
子供の喘息発作は、頻繁に起こるものです。でも、医師とともに、計画的に薬を服用し、トリガーを避けることで、改善します。
あきらめず、着実に治療していきましょう。
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