記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腰痛改善のためにヨガを始めても、やり方によっては腰痛や肩こりが悪化してしまったり、膝が痛くなってしまう場合があります。ヨガで腰痛を緩和したい人におすすめするヨガポーズと、ヨガで腰痛になったときの正しい対処法についてご説明します。
腰痛の原因が、正しい姿勢を保つ筋肉の力が低下していることであれば、ヨガで筋肉を鍛えることで緩和できる場合があります。これは、ヨガは血流促進やリラクゼーション効果が高く、弱った筋肉を強化し、凝り固まった筋肉もほぐすことができると考えられているからです。
骨盤や姿勢の歪みで、腰周りの筋肉に負荷がかかっていることが原因の腰痛の場合、ヨガで歪みを整えたり、姿勢をよくすることで腰痛が良くなる人もいます。
腰痛の原因は8割が原因不明と言われており、物理的な原因の他に、ストレスなどの精神的な原因から腰痛になることも多いとされています。ヨガは、精神的にリラックスする効果も高いので、ストレスからくる腰痛が改善する可能性があります。
腰痛を患っている人は、腰周りの筋肉に負荷がかかっていることが多いので、腰だけではなくお腹周りも一緒に鍛えることが大切です。そうすることで、周辺の筋肉が腰の筋肉をサポートしてくれるようになり、腰痛が改善する可能性があります。
腰痛を患っている人がヨガを行う際は、かかりつけの医師に相談してから行いましょう。
キャット&カウポーズとは、四つ這いになって骨盤を後傾(反り腰と逆)させるキャットポーズと骨盤を前傾(反り腰の状態)させるカウポーズを交互に行うことで、筋肉をほぐしていくポーズです。この2つを交互に行うことで、反り腰状態と理想的な状態の感覚をしっかり掴むことができます。
まず、尾骨を床側に下げるよう意識しながら、前屈のポーズをします。このとき、前に曲げるというよりも、背中や腰を伸ばすという意識をもって行うのがコツです。
腰が固い人、強張りのある人は、お尻をかかとにつけることが難しいかもしれませんが、頭は床に付かなくても、お尻はかかとにつけるようにしましょう。
ガス抜きのポーズは、仰向けになって行います。
肩や首に力みが入りすぎないように注意しながら、両脚を胸で抱えるポーズを取りましょう。このとき、尾骨を上方に巻き込む意識を持って行うのがコツです。また、片足ずつゆっくりとした深い呼吸と合わせて骨盤回りをほぐすのもおすすめです。
立位前屈のポーズを行うときは、股関節から身体を折る意識を持ちましょう。お尻をできるだけ天井に向け、太ももとお腹をつけることがコツです。そうすることで腰骨を十分に伸ばすことができます。また、太ももの裏側が張って前屈するのが辛い人は、膝を軽く曲げて筋肉の緊張を解くだけでも効果的です。
脊椎をねじっていくねじりのポーズは、腹部をねじるというよりも、背筋をまっすぐにして脊椎をねじるよう意識することで、より正確なポーズになります。また、深呼吸を繰り返しながら行うことで、腰部を温め、腰回りの筋肉をほぐすことができます。全体的にゆっくりとした動作で安全に行うようにしましょう。
仰向けになって、背中から腰、お尻の大きな筋肉までを十分に伸ばし、ほぐしていきます。このポーズは比較的難易度が低く、安全に行えますが、身体をねじる時に違和感が生じた場合には、すぐに中止してください。また、寝る前や起床後にもおすすめのポーズなので、呼吸に合わせてゆっくりと行うようにしましょう。
以下のような人は、ヨガのときに腰痛が悪化する場合があるので、注意しましょう。
お腹のインナーマッスルがうまく働かない状態で、ヨガを頑張りすぎてしまうと、腰・脚・お尻などの筋肉の緊張が抜けず、体が固くなってしまうことがあります。
反り腰の人は、普段から腰まわりが反っている状態が当たり前になっているため、腰まわりの筋肉を酷使しすぎている傾向があります。
また、後屈系のポーズ(コブラ・ラクダなどのポーズ)をやり過ぎることで、かえって腰痛になる場合もあるので注意が必要です。
ヨガがきっかけで腰痛になったときの対処法を、以下で紹介していきます。
腰痛を患っている人は、腰まわりの筋肉にばかり負荷をかけている恐れがあります。
腹筋やその他の筋肉を鍛えて、腰の負担をやわらげてあげましょう。また、腹筋は腹式呼吸でも鍛えられるので、お腹の筋肉を意識しながら行ってみましょう。
ヨガの途中で呼吸が止まる、浅くなる、という場合は身体が無理しているサインです。身体が緊張で固まると、呼吸がうまくコントロールできなくなります。そのようなときは、そのポーズを少しお休みしてみましょう。
また、腹式呼吸をするだけでも筋肉の柔軟性を上げることができるので、緊張している身体の部分に酸素を送るイメージで呼吸をしてみましょう。まずは自分の状態を観察して、自分に合ったヨガを行うことが大切です。
大規模なクラスだと細かい指導を受けられない場合が多いので、心配な場合は事前にインストラクターに腰痛があることを伝えておくか、少人数のクラスに変更してみましょう。あらかじめ事情を伝えておくと、負荷を軽減したポーズや、ポーズを軽くする方法を教えてもらえる場合があります。無理をして、ヨガで腰痛を悪化させてしまわぬよう、しっかりとポイントを抑えてヨガを行いましょう。
これからヨガを取り入れたいという人も、医師の診断を受けてから行うようにしてください。ご自身の身体の状態に合わせたタイミングで、正しいヨガのポーズを継続していけば、腰痛緩和や予防が可能です。ヨガで腰痛を悪化してしまわないよう、しっかりとポイントを抑えてヨガを行いましょう。