記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/14 記事改定日: 2020/7/3
記事改定回数:3回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「鼻をかんだら、鼻水に血が混ざっていた」という経験はありませんか?今回の記事では、鼻水に血が混ざる原因や鼻の出血から考えられる病気、鼻の出血を予防する方法などをご紹介します。
鼻から血が出る原因はさまざま考えられますが、いちばん多いのは単純性鼻出血です。これは鼻をほじって傷つけてしまったり、鼻を強くかみすぎたりしたことによる粘膜の損傷です。鼻の入口には毛細血管が多く張り巡らされているのに加え、粘膜も薄いため、出血しやすいのです。
単純性鼻出血以外にも、以下のような原因が考えられます。
単純性鼻血が見られるときは、次のように対処してできるだけ早めに出血を止めるようにしましょう。
大抵は、そのまま数分間強く押さえると数分~十数分ほどで止まります。
ただし、出血している部位によっては、鼻の付け根を抑えても鼻血が止まらず、血液が滴ってくることもあります。このような場合には、押さえる位置を変え、血液が出てこなくなる部位を探してそこをしっかり押さえるようにしましょう。
大量の出血があるときは、のどの奥に血液が流れることもあります。口の中に血液が出てきたときは飲み込まずに吐き出してください。
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鼻水に血が混ざっていても、少量であったり、毎回のことではなかったりすると放置してしまいがちです。放置して自然治癒する場合もありますが、悪化してしまうこともあります。重症化させないためにも、すぐにできる対処法をご紹介します。
鼻をかむときは、片方ずつ鼻を押さえてゆっくり少しずつかみましょう。鼻がかみにくいときも、一度に力を入れないように少しずつかむと、鼻に伝わる衝撃が和らぎます。
特に冬など、外気が乾燥する季節は、自分で思っている以上に鼻の粘膜は乾燥しています。湿度計や加湿器を部屋に設置して、まず湿度を把握することが必要です。湿度が常に40~60%になるように保つとよいでしょう。加湿器が使えない場合は、コップに水を入れてそばに置いておくことでも保湿効果が期待できます。
マスクは保湿と保温性能に優れています。こまめな水分補給とのど飴などを併用して、唾液の分泌を促しましょう。睡眠時に濡れマスクを着用するのも効果的です。
鼻水に血が混じったり、鼻血が出たりしているからといって、命を落とすような重要な病気に繋がることはまれです。しかし、以下のような病気のサインと考えられることもあります。
鼻からの出血を引き起こすものとして、血管が増殖することでできる「血管腫」や、鼻粘膜にある扁平上皮が異常に増えていく「乳頭腫」があります。いずれも良性腫瘍なのでさほど心配する必要はありませんが、乳頭腫は進行すると、まれにがんに進行することもあります。これらの腫瘍の場合、鼻血以外に鼻詰まりなどの症状が現れるのが特徴です。
副鼻腔の中にある上顎洞に発生するがんです。始めのうちは自覚症状がなく、大きくなるにつれて症状が現れます。鼻血のほかに、目の症状、歯の痛み、ほおの痛みが主な症状として現れます。また、片方の鼻から出血するのもこの病気の大きな特徴です。
鼻の突き当たり部分、上咽頭にできるがんです。鼻詰まりや鼻血などの症状以外にも、耳が聞こえづらい、物が二重にみえるといった症状が現れるのが特徴です。
血小板の数が減少することで、出血が起こりやすくなる病気です。鼻血以外にも歯茎や皮下などでも出血し、あざができやすくなります。
肝炎は、ウイルス感染などが原因で肝臓が炎症を起こす病気です。肝炎が慢性化すると、線維化をきたし肝硬変を発症します。肝機能が低下すると血液中の凝固因子を作る機能も低下するため、黄疸や歯茎からの出血、鼻血を引き起こす可能性があります。
血圧が高い状態が続いていると、血管への圧力が高まり、鼻血が出ることがあります。
鼻の粘膜には血管が集中しており、皮膚も薄いため鼻血は誰でも起こりうる症状ですが、重い病気のサインの可能性もありえます。少しでも気になる症状が現れたり、長引いたりするようなら、早めに病院で診察してもらいましょう。