アルギニンが豊富な食べ物は?過剰摂取のリスクがあるって本当?

2019/8/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

サプリメントで栄養補給したり、栄養バランスを考えて食事内容を考える人が増えています。そんななか「アルギニン」は、美容やスポーツなど体のメンテナンス、成長期のボディケアを気にする人なら知っておきたい栄養素で、健康維持に深く関わります。この記事ではアルギニンとはどんな効果を持つ栄養素なのか、どの食品に多く含まれるかなどを紹介します。

アルギニンってどんな栄養素?

アルギニンとはアミノ酸のひとつで、非必須アミノ酸に分類されます。アルギニンは体内で合成されますが、乳幼児や成長期の子供、重い怪我を負ったときや手術後などの体力が消耗しているときは、合成が十分にされないことがあります。アルギニンは加齢に伴い体内での合成量が減るため、健康な大人でも摂取を意識するのがおすすめです。

アルギニンの効果

成長ホルモンの合成促進
脂肪の代謝促進、筋肉組織の強化、身長の伸びに影響します。ただし成長ホルモンの分泌が最も多いのは10代で、加齢に伴って減少し、40代になると約半分ほどまで低下するといわれています。
免疫力アップ
細菌やウイルスへの抵抗力を高めたり、体内で発生したがん細胞を攻撃する働きが期待されます。
疲労回復
アミノ酸は、TCA回路(エネルギー代謝システム)でエネルギーを生み出して効率よく疲労回復する働きや、肝臓の尿素回路を刺激して脳疲労の回復を促進する働きを持ちます。アルギニンもエネルギー生産と脳疲労回復を促進します。
傷の修復促進
体にできた傷の修復を促進すると考えられています。
美肌効果
肌の角質層には天然保湿因子がありますが、その約40%がアミノ酸です。肌の健康維持が期待されます。
血流改善
精子の量や運動性を上げる効果があると考えられています。

1日あたりのアルギニン摂取量の目安は?

アルギニンを効果的に摂取したい場合の目安量は、1日2000~4000mg以上とされています。ただし炎症や褥瘡など傷がみられる場合は約5000~7000mgが摂取量の目安です。

アルギニンが豊富な食べ物は?

アルギニンを効果的に摂取するには、アルギニンを豊富に含む食品を食べること、食事のタイミングを考えることの2つのポイントを抑えましょう。

アルギニンが豊富な食品/100gあたりの含有量(g)

  • ゼラチン 7.9
  • 湯葉(干し) 4.4
  • かつお節(加工品) 4.3
  • 凍り豆腐 4.1
  • 落花生 3.2
  • きな粉 2.8
  • 大豆(乾) 2.7
  • ごま(乾) 2.7
  • しらす干し(半乾燥) 2.4
  • くるみ 2.2
  • くるまえび 2.0
  • すじこ 1.8
  • 毛ガニ 1.6
  • 若鶏胸肉 1.5
  • 豚ロース肉 1.5

摂取のタイミング

運動前後
運動前後に摂取することでアルギニンが疲労回復を促します。
就寝前
就寝中は、成長ホルモンが体内で多く分泌されます。アルギニンは成長ホルモンの分泌促進や代謝促進の効果が期待されますので、就寝前に摂取しておきましょう。

アルギニンを摂りすぎるとどうなる?

アルギニンの摂取は、食品、サプリメント、栄養ドリンクからされることがほとんどです。食品に含まれるアルギニンは天然アミノ酸ですので、体に悪影響をもたらす恐れはほぼありません。ただし、サプリメントや栄養ドリンクでアルギニンを摂取する場合、過剰摂取に注意が必要です。

また、特定のアミノ酸だけを過剰摂取した場合にアミノ酸の効果が低下してしまいます。そのほか、以下のような症状があらわれるおそれがあります。

アルギニン過剰摂取による危険性

子供
アレルギーを有している場合、アレルギー症状が悪化する可能性があります。
成人
消化器官に影響を及ぼし、胃痛、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。

タウリンの代替成分として使用されるアルギニン

手軽なエネルギー補給として栄養ドリンクを飲むことがあります。タウリンを含む栄養ドリンクが世界的に人気ですが、医薬品成分であるタウリンは、日本では薬事法によって清涼飲料水として販売できません。このため、日本ではタウリンの代わりにアルギニンが配合されることがあります。つまり、栄養ドリンクを通してアルギニンを摂取し、無意識のうちに過剰摂取してしまう可能性があるのです。栄養ドリンクを飲むときは含まれている成分を確認するようにしてください。

おわりに:健康を維持するアルギニン。食品選びと食事のタイミングを考えよう

体の成長や病気の予防、日々の疲労回復など健康維持に、アルギニンは大きな働きを持ちます。過剰摂取には注意して、食事バランスなどを考えながらアルギニンを摂取するのがおすすめです。アルギニンを豊富に含む食品を理解し、摂取するタイミングを調整しましょう。

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