「ケーゲル体操」とは? やり方や始めるタイミングを知りたい!

2017/2/21 記事改定日: 2019/1/28
記事改定回数:3回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

ケーゲル体操はもともとは尿失禁の女性の治療の一環として考案されたトレーニングですが、骨盤底筋を鍛えることで赤ちゃんが産道を通りやすくなる、妊娠中や産後の尿漏れを引き起こりにくくするなどの効果が注目され、妊娠中や産後のママのためのトレーニングとしても取り入れられています。この記事では、ケーゲル体操のやり方と効果、取り組むタイミングについてお伝えします。

ケーゲル体操のやり方

ケーゲル体操の魅力は、座っていても立っていてもできることと、場所を選ばずに取り組めるところです。体操は、以下の方法で行います。

  1. 肛門を閉じるような感覚で力を入れ、腟を締めて上に引きあげる動作を行う
    (※腟を締めて上に引きあげる動作は、排尿や排便を止めたり、タンポンを入れているときの感覚をイメージするとわかりやすいかもしれません)
  2. ①の体勢を約10秒間キープし、その後力を抜いて10秒間静止させる
  3. ①~②の動きを10回繰り返す。これを1日に4~6セット行う

腟を引き上げてキープするときには骨盤底筋を硬くさせ、力を抜くときには骨盤底筋を緩めるように意識してください。運動方法がよくわからない場合は、専門医に尋ねてみましょう。

ケーゲル体操に取り組む上での注意点

ケーゲル体操を始めても、すぐに骨盤筋が強化されるわけではありません。効果が実感できるまでには時間がかかるので、それまでは運動を続けるようにしましょう。なかには6~12週間、毎日練習しても改善を実感できないケースもありますが、多くの場合は数週間ほどで改善を実感できます。

また、運動記録がわかりやすいよう、

  • 体操を______セット行った
  • 体操に_____分を費やした
  • 各セットでは、骨盤筋を_____回収縮させた

といったメモを残すのもおすすめです。

出産をきっかけに起こりやすい尿漏れ「腹圧性尿失禁」について

女性の尿漏れは太りすぎがきっかけになることもありますが、出産がきっかけで起こることも少なくありません。これは出産時に、赤ちゃんが子宮頸部から産道を通って腟から出るときに腟の入口が広がってしまうことが原因だと考えられています。

出産がきっかけで起こる尿漏れは、ジャンプしたり、驚いたり、重いものを持ち上げようと力んだりするなど、腹圧が高まったときに起こりやすいです。そのため、腹圧性尿失禁といわれています。腹圧性尿失禁は、骨盤底筋が弱くなることで発症するといわれており、出産以外に老化による骨盤底筋の筋力低下がきっかけになることがあります。

ケーゲル体操はどんな悩みに効果的なの?

(※男性よりも女性が尿漏れするケースが多いため、この記事では女性のための「ケーゲル体操」に焦点を当てています)

ケーゲル体操は骨盤と腟の筋肉を強化させるため、尿漏れの防止に効果があるといわれています。尿漏れの多くは骨盤底筋が弱まることによって引き起こされるため、骨盤底筋を鍛えることによって改善することができるからです。尿漏れでお困りの場合は、ケーゲル体操で症状が改善する見込みがあるかを専門医に相談してみてください。

子宮脱やダイエットにも効果があるってホント?

子宮脱は骨盤臓器脱(性器脱)の一種で、子宮の子宮腟部(子宮の一番下の部位)が腟の外に脱出してしまうことです。脱出した部位が下着にこすれて傷がつくと出血することがあり、下腹部に痛みがでることもあります。手術が必要でない初期の状態であれば、ケーゲル体操などの骨盤底筋トレーニングで回復が見込めると期待されています。

また、ケーゲル体操は骨盤底筋を鍛えることで便秘を改善したり、姿勢を良くする効果があると言われています。直接の減量効果は立証されていませんが、産後のダイエット対策のひとつとして取り入れてみてもよいでしょう。

ケーゲル体操を始めるタイミングはいつ?

ケーゲル体操は妊娠初期・妊娠中・産後のどの時期でも行うことができます。ただし、時期によって体の状態が異なるので、はじめる前には必ず医師の許可を得てから、どのように体操をしたらいいかアドバイスをもらうようにしてください。

妊娠初期・妊娠中のケーゲル体操

ケーゲル体操を妊娠中に行って骨盤底筋を鍛えておくと、妊娠中期から後期にかけて起こりやすい尿漏れの予防や、出産に良い影響を与える効果があることがわかっています。また、痔を改善する効果もあるといわれています。

産後の場合はいつから始めていいの?

一般的に産褥体操などの負荷が少ない運動は、医師から許可が出ればすぐに始めてもいいといわれています。ケーゲル体操は体への負荷が少ないとされており、インナーマッスルを刺激するトレーニングであるため、出産してからすぐでも始められます。

ただし一部の症例(分娩時の裂傷が筋肉まで及んでいる場合など)では産後すぐに行うことが難しいこともあります。そのため、分からない場合は医師にケーゲル体操を始めてもいいか許可をもらってから始めるようにしましょう。

おわりに:ケーゲル体操を試してみよう

ケーゲル体操には、妊娠中や出産後の女性にとって嬉しい効果があります。そして、特別な道具やスペースが必要なく、テレビを観ている間や洗濯中、スーパーのレジ待ちのときなど、すきま時間を利用して手軽に実践できるところも魅力です。妊娠中や産後のトラブルにお悩みの場合は、医師に確認した上でぜひ試してみてください。

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