記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
便秘がひどい場合、肛門がしびれたり痛くなったりします。特に痔による出血や痛みがある場合、排便をするのも一苦労です。痛みをこらえ、汗をかきながら排便をしなくてはならないことは本当につらいものです。
この記事では、自宅でできる痔の治療と対策についてお伝えします。
かゆみや痛みのような痔の症状を緩和する処置や、不快感の悪化を防ぐための継続的なケアは、病院に行かなくても自宅でできるものもあります。
これからお伝えするヒントは、便秘を防ぎ、排便をしやすくするために役立ちます。その結果、痔になるのを防ぐこともできます。
まずここでは、痔の痛みやかゆみを緩和する方法についてお伝えします。
浴槽にお尻がかくれるくらいのお湯をはり、約15分間つかるようにしましょう。これを、すべての排便後に1日2〜3回、行ってみましょう。患部を洗いたいときは、無香料の石鹸でこすらない様にやさしく洗うようにしてください。
最後は、やさしく乾かしましょう。ヘアドライヤーの「クール」の設定だと手軽に乾かせるのでおすすめです。トイレに使える「座浴器」も便利なので、検討してみてはいかがでしょうか。
市販のお尻拭きやアロエベラのクリームは、副作用なしに痛みやかゆみを和らげることができます。
医師の指示がない限り、ヒドロコルチゾンを1週間以上継続して使用しないでください。
炎症を起こして腫れているような痔の痛みは、患部に小さな保冷剤を1日数回あてましょう。痛みを鈍らせて、しばらくの間腫れをひかせる効果が期待できます。
アセトアミノフェン、アスピリン、またはイブプロフェンのような市販薬は、痛み止めとして効果的とされます。
痒いところを掻いてしまうと、肌を傷つけ、かゆみを悪化させる可能性があります。
ゆったりとした柔らかい下着を着用しましょう。患部を外気にさらし、蒸れを防ぐことができます。
便座に座る時間を制限しましょう。便器に座り数分たっても便が出ない場合は、待ち続けたり、無理矢理出そうとしないでください。
毎日同じ時間に、トイレに行くように習慣付けましょう。
トイレットペーパーの刺激を敏感に感じる場合は、まず湿らせましょう。アルコールフリーで、ウェットタイプの赤ちゃん用お尻拭きを使って拭くのもおすすめです。
便意をもよおしたら、すぐにトイレに行くようにしましょう。便をがまんして溜めるような習慣があると、便を出すときにいきむようになったり、圧迫感を感じやすくなります。
便意の衝動を感じたら、できるだけ早くトイレに行くように心がけてください。
和式の便器でない場合は、便器に雑誌をのせたりして、その上にしゃがんでしてみましょう。膝を上げると、内臓の位置が変わり、より簡単に排便することができます。
ここでは、痔の症状を悪化させないための対処法を伝えします。
食物繊維は便を柔らかくし、より簡単に体の中を移動できるようにしてくれます。豆、全粒粉のパンと穀物、新鮮な果物と野菜などがよいでしょう。食品から十分に得ることができない場合は、サプリメントを利用してもかまいません。ただし、食物繊維の摂取量は徐々に増やすようにしてください。一気にたくさん摂ると、お腹にガスがたまったり、膨満感を感じやすくなります。
便を柔らかく保つために水分をたくさんとりましょう。できるだけ普通の「水」を飲むようにすることをおすすめします。 1日を通してこまめに飲むようにください。また、プルーンジュースは自然な下剤と呼ばれることもあり、便秘解消に効果的といわれているので、試してみてもいいでしょう。
毎日、活発に20〜30分歩くだけで、便秘の予防になるといわれています。
一生懸命便を出そうとしているときは、しっかり呼吸をしてください。便を出すときには、息を止める人も多いでしょうが(自分では気づいていない場合があるかもしれません)、 息を止めていきむことは痔の痛みや出血につながります。
表面が固い椅子にそのまま座らず、クッションを使いましょう。クッションを使うことで、痔の腫れの緩和が期待でき、新しい痔の形成も防ぐこともできるといわれています。
長い時間座っている必要がある場合は、1時間ごと立ち上がり、少なくとも5分間動き回りましょう。
痔の対処法は、結果として便秘を防ぐことにつながります。便が硬く、出しにくくならないように、水分や食物繊維を十分に摂るようにしましょう。
座りっぱなしの仕事をしている人は、特に注意が必要です。こまめに立って動いたり、椅子にクッションを置くようにしてください。