記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/14 記事改定日: 2019/5/14
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
気温だけでなく湿度も高い日本では、夏場は特に注意すべきものがあります――そう、「食中毒」です。
今回の記事では「食中毒とはどんなものか」について、症状や感染ルート、注意点など基本的な知識をご紹介していきます!
食中毒とは、有害な微生物を含む食物を摂取した際に起こる病気です。
原因となる微生物の例としては、細菌、寄生虫、ウイルスなど様々な種類があります。これらは大抵、生肉や卵などに含まれていますが、他の食品にもうつる可能性があり、暑い場所で放置された食品や、購入後の貯蔵期間が極端に長かった食品も繁殖の温床となり得ます。
なお、食中毒は手を洗わずに食品を触り、手に付着した有機物が食品にうつってしまうことで起こることが多いです。
食中毒の症状は、患者の健康状態や年齢、原因菌の種類によって異なりますが、基本的には下痢から始まり、吐き気、嘔吐、腹痛を伴う場合もあります。
また、発熱や血便を引き起こす食中毒もあり、嘔吐や下痢がひどい場合には脱水症状を引き起こすケースも珍しくありません。
食中毒は数日で自然に治る、軽度のものがほとんどです。ただし、下記に該当する症状が見られる場合は、病院で詳しい検査を受けることをおすすめします(特に小さな子供や高齢者、妊婦、慢性的な持病がある人は、食中毒が重症化しやすいので注意しましょう)。
食中毒の原因となる微生物や菌類は、主に以下のようなルートを通じて、食品に侵入・付着したり、人に感染したりする可能性があります。
先述のとおり、食中毒は2~3日でおさまるケースがほとんどです。食中毒の症状が治まるまでは、体を休め、十分に水分を摂取して脱水症状を防ぐことに注意しましょう。
下痢で多量の排泄を行った後は、水や経口補水液をコップ一杯飲むようにしてください(ソーダやフルーツ・ジュースは糖分含有量が多すぎるので不適切です)。
また、下痢止めは使用しないようにしましょう。食中毒の原因菌が排出されないことによって、症状が悪化する恐れがあるからです。
食中毒になったときは、原因となったウイルスや細菌が胃や腸の粘膜に炎症を起こしている状態です。このため、食事は胃や腸になるべく負担をかけないよう消化の良い柔らかいものを摂るようにしましょう。具体的には、おかゆや野菜スープなどがおススメです。
また、塩分や香辛料は粘膜を刺激することがありますので味付けには注意しましょう。
そして、下痢や嘔吐、発熱などが続いている間は電解質が含まれた経口補水液を積極的に摂るようにし、脱水にならないよう注意することが大切です。
症状が改善して食欲が出てきたら、固めのおかゆからご飯にするなど、徐々に固形物に戻していくと良いでしょう。ただし、揚げ物など消化が悪いものやアルコールは症状が完全に改善して、通常の食事が摂れるようになるまで控えるようにしましょう。
食中毒のほとんどは、以下の方法で予防することができます。
食中毒とはどのようなものか、大体のイメージはつかめたでしょうか?食中毒に感染すると、下痢や嘔吐などのツラい胃腸症状に見舞われることになります。食中毒にはさまざまな感染ルートがあるので、食品を調理したり保存したりする際はよく注意して、未然に予防するようにしましょう。