食中毒ってどうやって起きるの? ― 食中毒の原因菌と侵入経路

2017/7/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

食中毒の原因はウイルスやバクテリアですが、それらの原因菌にはどのような種類があり、どうやっ%E

食中毒って?


食中毒はウイルスや細菌などが付着した食品を口にすることで起こる症状のことです。食中毒になると嘔吐や下痢、下腹部の痛み、発熱などの症状が現れますが原因微生物によって症状は多岐にわたります。

ほとんどの食中毒の症状は短期間で治るため、通常病院での治療は必要ありません。しかし、症状が数日立っても治らないときや高熱が続くときは病院で診てもらうことをおすすめします。

食中毒の原因菌


食中毒の原因となるウイルスや細菌は種類によって、注意すべき食品や潜伏期間、症状が違います。ここでは原因菌別の特徴についてご紹介していきます。

ノロウイルス

ノロウイルスは食中毒の大きな原因の一つで、特に冬場に感染者が増加します。ノロウイルスは人の腸管のみで増殖するので、トイレや適切に処理されなかった下水から感染拡大していきます。そのため、感染を予防するにはトイレの使用後は手洗いを徹底し、食品を扱う前は手の消毒を心がけましょう。

感染すると嘔吐や下痢などの症状が現れ、症状は1~2日続きます。

サルモネラ

サルモネラ菌は卵や肉類に潜んでいることが多いですが、野菜や果物に付着していることもあります。

感染を防ぐためには食品を十分加熱し、生で食べるときはよく洗うことが大切です。

大腸菌

大腸菌は肉類、野菜や果物などに付着し食中毒の原因となります。感染すると数日の潜伏期間を経て、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が現れます。

大腸菌の感染を防ぐために肉を生もしくは生焼けの状態で食べるような料理は避け、野菜等はよく洗って食べるようにしましょう。

ウエルシュ菌

シチューなどの煮込み料理が作られてからすぐに提供されず、保温状態でしばらく放置されるている間に菌が増殖するするケースが、ウエルシュ菌の感染経路として一般的です。そのため、感染を避けるためには調理後すぐに食べるようにする必要があります。すぐに食べないときは、容器を移し変え冷蔵庫で保存するようにしましょう。

感染すると6~18時間の潜伏期間を経て、下痢や腹痛の症状が現れます。

ブドウ球菌

ブドウ球菌はおにぎりやサンドイッチ、プリンなどを手作りした時、作っている人から菌が移り、食べる時に感染するケースが確認されています。感染の症状はすぐに現れ、1~3日程度続きます。感染を防ぐためには、調理前によく手を洗うようにし、手に傷がある人は手袋をして調理しましょう。

カンピロバクター

カンピロバクターは肉類(特に鶏肉)に潜み食中毒の原因となります。感染すると1~7日の潜伏期間を経て、発熱、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が現れますが、通常1週間以内に治ります。

食中毒を防ぐためには、肉類を十分に加熱調理し、他の食品との接触を避けるようにしましょう。

リステリア

リステリアは果物や野菜、チーズなどの乳製品で増殖し、食中毒の原因となることがあります。

感染すると2日から2ヶ月の潜伏期間を経て、発熱や筋肉痛、下痢などの症状が現れます。

リステリアの感染を防ぐために野菜や果物はよく洗ってから食べ(できれば加熱する)、賞味期限内に食べきるようにしましょう。

 

原因菌の付着経路


食中毒の予防にはなぜ、十分な加熱や食品の洗浄が必要なのでしょうか。それは、ウイルスや細菌の感染経路に関係しています。ここでは、原因菌の感染経路についてご紹介していきます。

食品が加工されるとき

食中毒の原因となるバクテリアは家畜の腸に潜んでいることが多く(カンピロバクター、サルモネラ、大腸菌等)、食肉として加工されるときにそのバクテリアが腸以外の部位にも感染します。

野菜・果物が栽培されるとき

野菜・果物が栽培されるときに使われる堆肥や水に原因菌が潜んでいると、野菜・果物にも原因菌が感染します。

調理者の体から

手や腕に原因菌が付着したまま調理したり、生肉に触れた手で他の食品に触れたりすると感染が拡大します。

おわりに:食中毒の原因となる菌、感染経路を学び食中毒を予防しよう

食中毒の原因になる菌は食肉や野菜・果物に含まれている可能性があり、感染を防ぐためには食品の洗浄、加熱と調理者の手洗いが大切です。原因となる菌はいくつかあり、菌の種類によって付着している食品や潜伏期間、症状が微妙に違います。これらの特徴、感染経路を知り、普段から食中毒の予防に努めましょう。

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