便秘対策! 食べ物・水分補給・筋トレは本当に効くの?

2017/7/26 記事改定日: 2018/3/29
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

便秘対策と聞くと、「食物繊維を摂る」を筆頭に、「水分補給」「筋トレや運動」という言葉が浮かぶという方も多いのではないでしょうか?
今回は便秘対策の基本となる「食べ物・水分補給・運動」に基づいた便秘対策をお伝えします。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

便秘対策におすすめの食生活とは?

バランスの取れた規則正しい食生活は腸機能を正常に保つため、便秘が起こりにくくなります。
食生活はちょっとした工夫で改善できるので、できるところから少しずつ改善していきましょう。
以下に便秘対策のための食生活のアドバイスをご紹介します。

〈1〉野菜をたくさん食べる

毎回の食事に野菜を足すようにしましょう。
食物繊維を何グラム摂ったのか、細かく計算しなくても良いので、1日果物2カップと野菜2カップ半をおおよその目安にして、毎日食べることを目標にしてください。
例えば昼食には野菜がたっぷり入ったサンドイッチを選んだりサイドメニューにフライドポテトではなくサラダを選んだり、間食をスナック菓子やチョコレートなどから野菜やフルーツなどに変えると、1日に摂る食物繊維の量を無理なく増やすことができます。

〈2〉主食を変える

精製済みの食パンや白米、通常のパスタを「全粒のパン、全粒粉パスタ、玄米」などの精製されていないもの変えてみましょう。
全粒粉のクラッカーやシリアルを買うときは、1人前あたり最低でも5グラムの食物繊維を含むものを選ぶことをおすすめします。

〈3〉豆類をたくさん摂る

一週間に一度か二度、肉料理の変わりに豆をメインに使った料理を食べれば食物繊維の量を増やすことができます。
サラダに調理済みの豆を加えたり、スープやシチューに豆を加えてボリュームを出すのもおすすめです。

〈※食物繊維は徐々に増やすのがポイント〉

食物繊維の量を急激にを増やしてしまうと、腸がむくんでガスが溜まってしまうことがあります。
1週間単位で食事の計画を立て、摂取量を少しずつ増やしていきましょう。

便秘対策には水分補給も忘れずに

水分が不足すると便が硬くなって腸の中を移動しづらくなります。
水分を含んだ便は排出がスムーズになるだけではなく、便の容積を増して腸に刺激を与えて便意を感じやすくさせてくれます。
食物繊維の摂取量を増やした場合は、よりたくさんの水分を摂ることも心がけてください。
特に朝起きた後に、冷たい水をコップ1杯飲むことを習慣づけるとよいでしょう。

なお、水分補給には砂糖が含まれるジュースやカフェインを多く含んだコーヒー飲料、アルコールなどは避け、水やお茶などの砂糖やカロリーがほとんど含まれない飲料を選ぶようにしましょう。

運動で便秘対策をしよう!

運動は規則正しいリズムの獲得と食べ物が結腸の中をより早く通るための手助けをしてくれます。
特に体力や筋力の低下が原因で起こる「弛緩性便秘」の対策には、腹筋などの運動が役立ちます。
活発に身体を動かす時間を見つけるのは難しいかもしれませんが、以下の運動を試してみてください。

〈1〉腹筋運動

肛門に圧力をかけて便を押し出すときには腹筋の力が必要です。
また、腹筋が弱まると腸の緊張が低下して「ぜん動運動(排便を促すための腸の動き)」も弱まります。腹筋運動をして、胃腸を刺激してスムーズな排便を保ちましょう。

◆腹筋運動のやり方
床やマットなどに仰向けに寝転がって膝をまげる
腕を頭の後ろが体の前で組んで、腹筋に力を入れながら5秒以上かけてゆっくりと上体を起こして、「1」の体勢に戻る

〈2〉全身運動

全身運動には腹筋を鍛える効果があるため、便秘の予防・対策に効果的です。
代表的な全身運動には〈ウォーキング、水泳、ジョギング、ヨガ〉などがあります。

〈3〉番外編:お腹のマッサージ

運動ではありませんが、お腹のマッサージにも腸を刺激して排便を促す効果があります。

◆「の」を描くマッサージ
床や布団の上で仰向けになって膝を立てる
人さし指から薬指までの4本指でおへその周りを時計回りに、大腸の形に沿うように「の」を描くように30回ほどゆっくり軽くマッサージします。
手軽にできる方法なので、寝る前や起床後、入浴しながらの習慣にしてみてください。

〈運動を長続きさせるコツ〉

1回約20分程度の運動を1週間に3回取り入れるのが理想的ですが、運動する時間が取れなかったり体力的に難しいという場合、まずは時間を短くしても回数を少なくしても良いので挑戦してみましょう。
慣れてきたら、1回30分の運動を1週間に5日以上を目標に増やしていきましょう。
長時間運動する時間が無い場合は、例えば10分間のウォーキングを3回行うなど、1日の中で何回かに分けて運動する方法がおすすめです。

おわりに:便秘対策のカギは食事内容の見直し&運動

便秘対策の基本は、食事内容を見直すことと運動の習慣をつけることです。
便秘にお悩みの方は、今回紹介した便秘の予防法をぜひ試してみてください。

ただし、3週間実践しても何も変化を感じられなければ他の原因が隠れている可能性があるので、一度病院で診てもらいましょう。
また、血便や腹痛、意図しない減量などの症状が見られている場合は早急に治療を受ける必要があるので、速やかに医療機関を受診してください。

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