記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本で13万人もの人がかかっている病気、喘息。(2014,厚生労働省) 名前はよく聞くけれど、一体喘息とはどのような病気なのでしょうか。そして、自分や周りの人に喘息の発作が起きたらどうしたら良いのでしょうか。今回はそんな対処法について解説します。
気管支喘息(以下、喘息)とは、慢性の気道炎症、気道過敏性亢進、可逆性の気道閉塞を特徴とする疾患で、閉塞性換気障害をきたします。症状としては夜間から早朝にかけての呼吸がしづらくなったり、ヒューヒュー、ピーピーといった呼吸音、咳などが繰り返して起きます。
アトピー型のほとんどは、小さい子供の頃に発症します。これは、ホコリやダニなどを吸い込むことなどにより起こったアレルギーが、気道を収縮させることにより発症します。多くは軽症で、約70%は成人するまでに良くなるとされています。
非アトピー型は40才以上の大人に発症することが多く、なぜ起こるのかはよく分かっていません。しかし、気道の感染症の後に引き続いて発症することが多く、関連性が示唆されています。
症状の強さによって対処法は異なりますが、発作が起こったときは基本的にはβ2刺激薬を吸入します。重症になるにつれてステロイド投与などを行います。更に重症になると酸素吸入、アドレナリン投与、気管挿管、人工呼吸などが必要な場合があります。
喘息は放っておくと気道にリモデリングが起きて構造が変わり、より症状が酷くなることがあります。医療と生活、2つの面から発作を予防しましょう。まず医療面では、吸入ステロイド薬や長時間作用性β2刺激薬、テオフィリン徐放薬、抗ロイコトリエン受容体薬などを組み合わせて管理していきます。
次に生活面では、環境を清潔にすること、禁煙、感染症予防、適度な運動などを心がけましょう。喘息はきちんと管理すれば発作を抑えることができる病気なので、しっかり予防していきましょう。
喘息を完全に治すことはできませんが、適切な対処で発作を管理することはできます。医師の指示通りに薬を服用することはもちろんですが、運動や衛生管理など生活面を見直すことも重要です。また、発作が起こったときの対処法を把握し、家族やパートナーにも伝えておくことも必要になります。
生活の質(QOL)の向上のためにも、医師と相談しながら自分に適した喘息管理計画を立てましょう。