改めて知りたい、頭痛の基礎知識と対処法

2017/8/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

 日本の人口の四分の一が持っているとされる、頭痛。良く起こることではありますが、一言で頭痛と片付けてはいけません。命に関わる大きな病気が隠れている可能性があり、対処が遅れると大変なことになります。命に関わらない慢性の頭痛でも、抱えていると辛いものです。頭痛の種類によって対処が変わってきます。良いと思っていたことが逆効果であることも。今回は頭痛の基礎知識と対処法について解説します。

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「頭痛」にはいくつかタイプがある


頭痛はまず大きく二つのタイプ、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。何らかの病気を原因とするのが二次性頭痛、特に他の病気が原因で起きているわけではない頭痛を一次性頭痛と言います。一次性頭痛は直接命に関わらない頭痛であり、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の三種類があります。二次性頭痛は命に関わる可能性があり、クモ膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍などが原因としてあります。

頭痛はなぜ起きるの?

二次性頭痛は病気を原因として起きるため、ここでは一次性頭痛について解説しましょう。三種類それぞれ、どのように頭痛が起きるのかは異なります。

まず、片頭痛では頭の中の血管が拡張し、放出された物質が周りの神経を刺激することで起こると考えられています。その要因となるものとして、飲酒、ストレス、肩凝り、月経周期、睡眠不足、天気などが挙げられます。

緊張型頭痛は、頭を支える筋肉の緊張により血管が収縮して血行が悪くなり、筋肉が凝ることで痛みが出ます。この原因はストレス、肩凝り、うつむき姿勢などです。

群発頭痛は目の後ろの血管が拡張し、神経を刺激することで起こるといわれています。原因として考えられるものは、飲酒、ヒスタミン、ニトログリセリンなどですがはっきりしていないことが多いです。

頭痛の症状にはどんなものがある?


一次性頭痛の症状は、三種類それぞれではっきりと異なります。

片頭痛では頭の横がズキンズキン、ドックンドックンと脈打つように痛くなり、これが通常一ヶ月に1-2回繰り返されます。日常動作、入浴、アルコール、マッサージによって悪くなります。頭が痛いために仕事に支障をきたし、刺激を避けて横になるほどの痛みであることが特徴です。

緊張型頭痛では、はちまきで締め付けられるような痛みと、頭が重い感じが一日中だらだらと続きます。日常動作で悪くなることはないですが、夕方に重くなります。頻度は人によって異なり、年に数回から毎日起きる人もいます。

群発頭痛では、主に深夜に突然片方の目がえぐられるような痛みが1時間ほど続き、およそ一ヶ月間毎日同じ時間帯に発作が出現します。飲酒によってより悪くなります。

二次性頭痛は、命の危険が及ぶ病気が原因のこともあるので注意が必要です。このような症状があったら、すぐさま病院へ向かいましょう。

・突然発症し、これまで経験したことのないもの

・5才未満50才以上の発症

・頭部外傷によるもの

・感染症によるもの

・意識障害や神経症状を伴うもの

・早朝に起こり、次第に悪化するもの

頭痛を和らげる方法は?どう対処すればよい?


一次性頭痛に関しては、まずは静養が第一です。頭痛の原因となるようなストレスや睡眠不足を解消し、お酒や煙草は控えましょう。

次に、頭痛の種類によって対処が異なるものについても解説しましょう。片頭痛と群発頭痛は血管の拡張によって起こり、緊張型頭痛は血管の収縮によって起こるので、入浴や運動は緊張型頭痛には効果がありますが片頭痛と群発頭痛には逆効果です。逆に、片頭痛と群発頭痛では冷やすと良くなりますが群発頭痛では冷やすと悪くなります。

二次性頭痛と思われる症状がある場合は、一刻を争う事態です。すぐに病院へ向かいましょう。

おわりに:痛みがひどくなったり、長引くときは病院へ

頭痛はよくあることですが、もし二次性頭痛であった場合には恐ろしい病気が隠れていることもあり、命に関わります。あまりに強い痛みであったり、長引いて治らない頭痛がある場合は、自己判断せず病院へ向かいましょう。一次性頭痛でも、片頭痛などは薬によって良くなることも多いので辛くなったら受診しましょう。

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