記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
目のかゆみや充血を発見した場合、それは結膜炎かもしれません。結膜炎にはさまざまな種類があります。今回の記事では、結膜炎の症状や原因について解説します。
結膜炎とは、まぶたの裏側と眼球の表面から黒目の周囲までを覆っている結膜が赤く充血して炎症を起こす病気です。結膜炎には、アレルギーで起こるアレルギー性結膜炎、感染で起こる細菌性結膜炎、ウィルス性結膜炎、などの種類があります。
結膜炎になる主な原因は以下の3つがあります。
結膜炎の一般的な原因は、アデノウイルスとされており、目、気道、肺、腸、尿路、および神経系に感染する一般的なウイルスの一種です。
ウイルスは、デイケアセンター、学校、サマーキャンプなど、子供が大人数いる場所で感染することが一般的です。とても伝染性が強く、感染した人が咳やくしゃみをしたときに広がります。また、子供のおむつを交換するときにや、トイレに行った後、適切に手を洗わなかった人が調理した食べ物を食べることで感染することもあります。
細菌が原因の場合、細菌性結膜炎と呼びます。これは黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌など、一般的に身のまわりに存在する細菌に感染して発症します。うつることは稀ですが、乳幼児や体力の落ちている人がいる家庭では注意が必要です。
アレルギーが原因の場合、アレルギー性結膜炎と呼びます。これは原因となるアレルギー物質が結膜に侵入し、かゆみや充血が起こる症状です。アレルギー性結膜炎は1年を通して症状がでる通年性の場合と、特定の季節に症状がでる季節性のものがあります。通年性の原因で多いのはダニやカビ、ハウスダストです。最近ではコンタクトレンズ装用者にも増えてきています。また季節性の原因の代表はスギなどによる花粉です。
結膜炎には以下の症状があります。
・赤目
・涙がでる
・目からの排出分が出る
・目に何かがあるような感覚がある
・白目が充血する
・粘く黄みがかった目やにが多く出る
・目やまぶたがかゆくなる
・白目が充血する
・白っぽい目やにが出る
抗生物質は細菌を殺すためのもので、アデノウイルス感染には効果がありません。症状は、しばしば数日以内に自然に治癒されますが、1週間以上続くこともあります。
免疫システムが弱い子供は、病院で回復するのを助けるために治療が必要な場合があります。
抗生物質の点眼薬をきちんと使用すると数日で治ります。
かゆみの元となる物質(ヒスタミン)を抑える効果のある抗アレルギー点眼薬を使用します。さらに強い症状がある場合はステロイド点眼薬を使用します。しかし、ステロイド薬には緑内障や白内障を誘発するなどの副作用が起こる恐れがあるため、経過観察をおこないながら使用します。毎年起こる結膜炎であれば、抗アレルギー点眼薬をその時期より数週間早く使用しておくと効果的です。 花粉などアレルギーの原因をできるだけ排除する予防策をとることが重要です。
結膜炎の原因として一般的なアデノウイルスによる感染を予防するために、食事の前には、子供と自分の手を洗ったり、管理されていないプールで泳がないなど、衛生状態を保つようにしましょう。目が赤いなど、異変に気づいたら病院へ行きましょう。