記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/2/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
運動中や運動したあとに筋肉の痛みを感じたり、いつもよりも筋肉を強く押したくなることはありませんか? 運動の1~2日後にあらわれる筋肉の痛みは、普段の運動量に関係なくだれにでも起こることです。
筋肉が硬くなったり、うずいたりするのは筋力がついてきている証拠で、痛みはすぐに治まります。
新しい運動を始めたり、運動の仕方を変えしたり持続時間や頻度を上げたりすると、運動後に筋肉の痛みが発生することがあります。これを遅発性筋肉痛 (DOMS) といいます。
筋肉に通常よりも強い負荷をかけると筋肉の痛みや硬直を起こし、筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮することで「筋肉痛」が起こるとされています。
筋肉痛は、筋肉が回復して発達する過程の一部です。これは体力と持久力の増加につながります。長い期間が空かない限り、次に同じような運動をした後に筋肉痛になることはまずありません。また、乳酸の蓄積によって起こるという説もありますが乳酸はこの過程には関与していません。
だれにもなる可能性があります。トップアスリートなど、何年も運動している人でも筋肉痛になります。運動を始めたばかりの人では、筋肉痛は驚く出来事かもしれません。また、この痛みによって運動へのモチベーションが下がってしまうかもしれません。しかし、筋肉がその運動に慣れてしまえば、痛みは減少します。
慣れない動きを伴うあらゆる運動、特に筋肉が収縮して伸びる動きを起こすことがあります。たとえば階段の上り下り、ジョギング、坂道を走る、ウエイトリフティング、スクワット、腕立て伏せなどの運動で起こります。
筋肉痛は、3〜5日間で自然に消退します。軽度から重度の痛みは、運動の1〜2日後に起こります。肉離れや捻挫など、運動中に急な痛みを感じるような怪我と混同しないよう、注意が必要です。
筋肉痛を防ぐために最も良いとされている方法を、以下に示します。
・新しい運動を始めるときは、ゆっくりと徐々に始める
筋肉を新しい動きに適応させるための時間をとることは、痛みを最小限に抑えるのに役立ちます。
・ウォーミングアップやストレッチをする
筋肉痛の予防に有効であるという根拠はありませんが、ウォーミングアップや運動前後のストレッチをすることで、怪我を防ぎ、運動パフォーマンスが向上します。
運動をしてもいいですが、ウォーミングアップ中に不快感を感じることがあります。運動中には痛みが消えるかもしれませんが、運動後に痛みが戻ってくることがあります。痛みで運動が困難になった場合には、痛みが緩和されるまで数日間は運動を控えることをお勧めします。あるいは、痛くない筋肉のみを鍛えるトレーニングに集中し、痛みを感じている筋肉が回復するための時間をつくります。
筋肉痛は、筋肉の調子を整えるためのもので、筋肉が新しい活動に適応しようとしていることを意味します。次に同じ運動をしたり、同じ強さで運動したりすると、筋組織の損傷が少なくなり、痛みが少なくなり回復が早くなります。一度、筋肉痛が起これば、その後数週間または数カ月間は、同じ運動で同じような痛みが出ることはなくなります。
筋肉痛をおこしながら体がスポーツに順応していきます。ウォーミングアップとストレッチをしながら、回復を促進させてください。