冬季によくみられる病気とその予防法②
2017/2/10
冬の時期は乾燥していて、人間の体温も下がりやすいため、様々な病気に感染する可能性が高まります。今回は前回に引き続き、冬季にみられる病気について紹介していきます。
口唇ヘルペス
ヘルペスは、ウイルスの感染によって発症します。ヘルペスウイルスは、帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスと水疱ができる単純ヘルペスウイルスの2種類あります。
口のまわりにできるヘルペスは、口唇(こうしん)ヘルペスといいます。からだの免疫力が低下していたりストレスの徴候としてよくみられます。体調を崩しやすくなる冬に多くみられます。ヘルペスは治療しなくても自然に治りますが、見た目が気になったり痛みやかゆみを伴うときは抗ウイルス薬での治療が可能です。医師に相談してください。
レイノー症候群(レイノー現象)~冷たい手足~
手足の毛細血管内の血液循環が乏しくなることで起こるレイノー症候群(レイノー現象)は、寒い時期によくみられます。指や足先が変色し、激しい痛みを伴います。指は白くなって、青色から赤色へと変化してズキズキ痛むようになります。重度では薬物治療が必要ですがですが、ほとんどは治療を必要としません。
喫煙やカフェイン摂取は、症状を悪化させます。外出の際は、あたたかい手袋、靴下、靴を着用することで予防できます。
乾燥肌
冬の湿度の下がる時期によくみられるのが「乾燥肌」です。冬場は、特に保湿が重要です。保湿ローションやクリームは、皮膚から水分の蒸発を防ぐ密閉剤として有効です。
保湿ローションやクリームを使用するベストなタイミングは、風呂やシャワーのあとのまだ皮膚が湿度を保っているときと、就寝前です。
風呂やシャワーは、あまり熱いものではなく温めの温度がいいでしょう。あまりにも熱いと皮膚は一層乾燥して、かゆみが出たり、頭髪も乾いて、活力がなくなってしまいます。
心臓発作
急激に寒くなると血圧が上昇して心臓に負担がかかるために心臓発作を起こす人が多くみられます。寒い時期は、からだを暖かく保つように心臓の仕事量が増えるのです。
心臓発作を防ぐためには、家を暖かくしましょう。主に使用する部屋の温度は18度以上に保ち、就寝時は湯たんぽや電気毛布を用いるとよいでしょう。特に高齢者は、暖かい部屋から寒い場所に移動するとき(たとえば廊下、トイレ、浴室)にも注意が必要です。
浴室やトイレを温めておく工夫をしてください。また、外出の際は暖かい衣類に身を包み、帽子、マフラー、手袋などを着用しましょう。
感染性胃腸炎
秋から冬にかけて流行するウイルス感染症です。ノロウイルスやロタウイルスのほか、細菌や寄生虫でも感染します。軽い風邪のような症状から発熱、嘔吐、下痢を伴うものもあります。特に、乳児が感染するとけいれんを起こすことがあるので注意が必要です。
おわりに
冬になると、動物たちは「冬毛」で冬の準備をします。体毛のない人間は防寒着などの衣服を身にまとって寒さを防いだり、暖をとって寒さから身を守っています。それでも防げないのは、ウイルスや細菌です。ウイルスや細菌から身を守るための最終手段は「医療」ですが、からだの免疫力を高める努力も必要ですね。