記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻にポリープができることがあります。このポリープができても自分では気づかない場合が多く、放置しがちになってしまいます。今回の記事では鼻ポリープについて、症状や治療法などを解説します。
鼻ポリープとは、副鼻腔の中で粘膜が膨らみ、キノコのようにプルプルとした白い(半透明)水ぶくれとなった状態のポリープをいい、別名を鼻茸といいます。鼻ポリープは腫瘍ではないため、癌のリスクを心配する必要はありません。
鼻にポリープができる原因は以下のように考えられています。
鼻ポリープの原因は、アレルギーや細菌感染によるものとされています。風邪や鼻炎が長期間続いたり、アレルギー性鼻炎による鼻腔内の慢性的な炎症により、副鼻腔炎を発症することで鼻ポリープを併発することがあります。また、虫歯が原因になることもあります。
現段階では、鼻ポリープと喘息は明確な関係性はわかっていませんが、成人の気管支喘息患者の約3分の1が鼻ポリープを発症しているといわれています。ただし喘息が原因で鼻ポリープができているとは限りません。アスピリン喘息では高頻度で鼻ポリープを合併していることがわかっています。
鼻ポリープが小さいうちは、症状がほとんど現れず、あったとしても鼻水が出る程度のため、気づきにくいです。しかし、ポリープが肥大化してくると鼻の入り口から見えるようになり、以下の症状を引き起こします。
・鼻づまり
・頭痛
・耳管狭窄症
・嗅覚異常
鼻ポリープは鼻づまりや、嗅覚異常を引き起こすために治療が必要となります。以下に治療法を解説します。
保存療法による治療は以下のとおりです。
ネブライザー療法とは、霧状にした抗生剤や血管収縮剤を含んだ薬液を鼻などから吸い込んで鼻腔や副鼻腔に送り込む治療法です。
マクロライド療法とは、少量のエリスロマイシンなどマクロライド系抗菌薬を長期間内服していく治療法です。慢性的な細菌感染症により副鼻腔炎を引き起こしている場合にこの治療法が検討されます。
鼻ポリープの原因がアレルギーの場合、抗アレルギー薬やステロイド薬の内服、点鼻が必要となります。医師の指示に従い、点鼻薬は1~3ヶ月の間使用する必要があります。
保存療法で効果が現れない場合は、内視鏡を使用し病巣そのものを除去する手術をすすめられる場合があります。この手術では、鼻の穴から副鼻腔までの道を広げたり、腫れた粘膜を取り除く処置を同時に行う場合もあります。しかし、鼻ポリープを切除しても全ての症状が改善するとは限りません。必要に応じて、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の治療も続けていく必要があります。
鼻ポリープができても、自分では気づかないことが多いです。鼻づまりがなかなか解消しないなど、いつもと違う様子がみられたら、ポリープの可能性があるため、病院で診察を受けることをおすすめします。