陣痛から出産までの流れ ~ 時間や痛みはどのくらい?

2017/9/7 記事改定日: 2018/4/3
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

お腹が大きくなって予定日が近づいてくると、間もなく出産です。でも、陣痛の前兆や出産までの流れがわからないと不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
この記事では、出産までの流れを詳しく解説していきます。少しでもリラックスして出産の日を迎えられるように参考にしてください。

おしるしから陣痛までの流れは?

おしるしは、出産が迫る時期になって子宮の入り口が開き、子宮を閉じていた粘液栓や卵膜が剥がれて少量の出血が起こることです。多くは生理のような真っ赤な出血ではなく、おりものに少量の血が混じってピンク色や茶色をしています。

おしるしは、出産が近づいている証拠です。しかし、おしるしから本物の陣痛が起きるまでの時間には個人差があり、おしるしに気づかない人やおしるしがないまま出産を迎える人もいます。
一般的にはおしるしがあってから3日以内に陣痛が起こることが多いですが、中々陣痛が始まらない妊婦さんも心配は不要です。リラックスして出産の日まで待ちましょう。

陣痛から出産までの平均時間はどのくらい?

個人差はありますが、初産の場合は子宮口が全て開くまでの時間は平均して10時間~12時間ほどです。ちなみに、過去に出産を経験した方はより早く、平均時間は4時間~6時間とも言われています。

陣痛がきてもすぐに出産がスタートするわけではなく、子宮口が全開になり、いきんで赤ちゃんを生み出せるまでは長丁場になることが多いです。
大変な状態が続きますが、できるだけリラックスして陣痛を乗り越えましょう。

破水から出産までの時間は?

破水とは、出産が近づいて卵膜が破れることで、羊水が子宮から流出することをいいます。一般的には、子宮口が全開大になる分娩第二期を迎える頃に起こることが多いですが、陣痛が起こる前や子宮口が全開大になる前に破水することもあります。しかし、妊娠37週以降の破水はいつ起きても問題ありません。

破水すると、陣痛が強くなってそのまま出産になる人がほとんどですが、中には破水したものの陣痛や子宮口の開大などの分娩の兆候が全くみられない人もいます。破水は感染症のリスクが高くなりますので、赤ちゃんやお母さんの安全を考え、破水後2日以内には陣痛促進剤などを用いて分娩が誘発されることが多いです。

初産婦と経産婦で違いはある?

初産婦と経産婦の出産には違いがあります。
最も大きな違いは、陣痛は始まってから出産までにかかる時間です。経産婦は初産婦より子宮口や産道の開きが早いため、一般的には分娩時間は短くなります。平均すると、初産婦は12~15時間かかりますが、経産婦は5~8時間で出産に至ります。

しかし、陣痛が始まる兆候は出産ごとに異なるため、初産婦と経産婦で大きな違いはないと考えられます。また、陣痛の感じ方も出産ごとに分娩の進行や困難さによって異なりますので、どちらの方が痛みが強く、どちらの方が痛みが弱いということは一概には言えません。強いて言えば、経産婦は陣痛の経験者ですから、陣痛に対する恐怖心は初産婦よりも少ない人が多いでしょう。

陣痛開始はどんなふうにやってくる?

出産間近になると、いよいよ陣痛がやってきます。
陣痛は生理痛と同じような下腹部の弱い痛みからはじまります。その後だんだん痛みが強くなり、痛みが現われる感覚が10分おきあるいは1時間に6回以上になります。

最初に発生する不規則な陣痛は「前駆陣痛」、その後の規則的な痛みは「陣痛」または「本陣痛」と呼ぶのが一般的です。

陣痛から出産までの4つの段階とは

陣痛から出産までは4つのステップを経ることが多いです。
それぞれの段階について説明します。

陣痛(本陣痛

痛みが1時間に5~6回ほどの周期でやってきたら、いよいよ出産が本格的にはじまる合図です。
陣痛がやってきたら、分娩室へ移動して分娩へと移ります。

ただし、「陣痛→破水→分娩へ」というのはあくまで一般的に多いケースです。
人によっては陣痛がはじまる前に破水することもあります。
陣痛がくる前に破水した場合は、細菌感染を防ぐために風呂には入らず、夜用の生理ナプキンをあてて対処しましょう。その後は慌てずにかかりつけの病院へ連絡して指示を仰ぎ、病院に向かいます。
破水した後はできるだけ安静にする必要があるので、病院への移動は車やタクシーを使いましょう。

分娩第1期

分娩第1期は陣痛が10分ほどの間隔で規則的にくるようになってから、子宮口が全開大になるまでを指します。このときの痛みの時間は1回につき20~30秒ほどで、力まずに痛みを逃すことで体力をできるだけ温存しておくのがポイントです。

分娩第2期

痛みと休みが1分ほど交互に訪れます。
診察で子宮口が完全に開いていたら(10cm)、赤ちゃんが産まれるのももうすぐです。助産師の指示に従って力をいれて“いきみ”ましょう。
尚、分娩第2期に子宮口が開いたタイミングで破水が起こる傾向が高いです。

いきみに合わせて赤ちゃんがじょじょに子宮の出口に近づき頭が見えるようになります。
この段階を拝臨(はいりん)と言い、さらに子宮の収縮に合わせていきみ続けると赤ちゃんの頭が膣から出たままになる発露(はつろ)と呼ばれる状態に進みます。
ここまで来たら、会陰にかかる負担を減らすためにいきむのをやめ、「ハッ、ハッ、ハッ」という短い呼吸に切り替えて赤ちゃんの体が出てくるのを待ちます。

分娩第3期

分娩第3期は後産期とも呼ばれ、赤ちゃんが産まれてから胎盤が外に出てくるまでを指します。このときには力をいれる必要はなく、胎盤が自然に排出されるのを待つような感覚です。

出産時に会陰切開を行ったり、子宮口付近に傷を負った場合は胎盤がでてきた後に処置をします。

出産直後の過ごし方は?

赤ちゃんが誕生した後は、子宮からの出血が落ち着くまで分娩室で安静にします。
病院によっては、生まれてすぐに素肌で赤ちゃんを抱く「カンガルーケア」を行えることもあります。

母子同室の場合はママにも赤ちゃんにも問題がないと判断されると、一緒に過ごせるようになります。母子別室の場合は、ママが新生児室にいる赤ちゃんに定期的に授乳をしに行くことが多いです。

おわりに:出産の流れには個人差がある。リラックスと体力維持に努めよう

陣痛がはじまってから赤ちゃんが誕生するまでは、長丁場になる可能性があります。
出産が近くなるとお腹の大きさで動きにくくなるので体を動かすことを避けがちですが、分娩を乗り切るには体力をつけておくことがとても大切です。しっかり食べて、適度に身体を動かして体力維持に努めましょう。
そして、出産の流れには個人差があります。初産のときと陣痛の感じ方が違ったり、聞いていた話と違っていても必要以上に慌てないようにしましょう。
担当医にアドバイスをもらいながら、落ち着いた心で出産の日を迎えてください。

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