慢性気管支炎とは ~ タバコを吸うと発症のリスクが高くなる ~

2017/9/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

タバコを吸う人に特に発症のリスクが高くなるといわれている慢性気管支炎ですが、症状や治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は慢性気管支炎について解説します。

慢性気管支炎とは

慢性気管支炎とは、咳や痰などの気管支炎の症状が、3ヶ月以上続く状態をさします

ただし、肺結核や気管支拡張症など別の原因が明らかな場合は、慢性気管支炎とは呼びません。
慢性気管支炎は通常慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)に含まれます。

慢性気管支炎の症状

慢性気管支炎は、以下の気管支炎の症状があります。
・痰(たん)
・呼吸困難
・胸の圧迫感
・咳(せき)

慢性気管支炎は、長年かけてゆっくり症状が悪化します。そのため初期症状の段階では、気管支炎だと気がつかず、放置しておくと、症状が進行し全身に悪影響をきたします。これは命にも関わる危険性があるため注意が必要です。

慢性気管支炎の原因

慢性気管支炎の主な原因は喫煙です
また、化学煙やほこりなどの肺を刺激する物質に長時間さらされることも、慢性気管支炎を発症する原因とされています。 喫煙暦が10年以上、1日に10本以上喫煙する人は非常にリスクが高くなるといわれています。

慢性気管支炎の対処法

慢性気管支炎の治療法と予防法を以下に解説します。

治療法

慢性気管支炎の治療法には以下のようなものがあります。

気管支拡張薬

通常、気管支拡張薬を「吸入薬」として使用します。重度の息切れがある場合は、テオフィリン錠が処方されます。症状が改善しない場合は、ステロイド薬が処方されます。

在宅酸素療法

薬で症状が改善しない場合は、「在宅酸素療法」を行います。
在宅酸素療法とは、一定レベル以上の慢性呼吸不全の場合に、病院外の日常で酸素吸入器を常備し、酸素を吸入しながら生活するという治療法です。

タバコをやめる

喫煙者であれば、最も重要なことはタバコ止めることです。 吸う煙が多いほど肺にダメージを与えますが、喫煙をやめると呼吸が楽になり咳をしなくなり、肺が回復しはじめます。また、肺癌の可能性も低くなります。禁煙を補助する方法については医師に相談してください。

予防法

ヘアスプレー、スプレー消臭剤、スプレー塗料などのエアロゾル製品など、肺を刺激する可能性のあるものを避けるようにしてください。
ほこりや化学煙、塗料やペイントリムーバー、ニスなどの強い臭いを吸わないために「マスク」を着用してください。

呼吸療法士によって行われる運動プログラム「肺リハビリテーション」や、「口すぼめ呼吸」と呼ばれる呼吸法のほか、定期的な運動(ウォーキングなど)も推奨されます。自分に合った運動プランを作成するために必ず医師に相談してください。

慢性気管支炎は肺感染のリスクを高めるので、インフルエンザのワクチンは毎年受けることが推奨されています。 また肺炎予防のため5〜6年ごとに肺炎球菌ワクチンを受けてください。

おわりに:タバコをやめると、症状の進行を遅らせることができる

慢性気管支炎は、過去に吸ってきたタバコの量が多いほど発症リスクが高くなります。タバコをやめるのに遅いことはありません。慢性気管支炎の進行を遅らせるためには、タバコをやめる努力をしましょう。

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