記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳がかゆくなったり、耳だれが起きたりすることでも知られる「外耳炎」ですが、「耳掃除をしすぎると外耳炎になる」というウワサも・・・果たしてこれは本当なのでしょうか?
外耳炎とは、外耳と鼓膜をつなぐ外耳道の炎症や感染のことです。主な症状としては、耳の痛みやかゆみ、腫れ、耳だれ、耳が詰まったような感覚などがあります。
外耳炎の主な原因としては、以下のものが考えられます。
耳掃除をしすぎると外耳道が傷つき、外耳炎に発展してしまうことがあります。また、耳垢は外耳道を保護する役割を担っているため、過度の耳掃除で耳垢を除去しすぎると外耳道が感染症にかかりやすくなってしまうといった面もあります。事実、外耳道の多くは耳掃除のしすぎが原因と考えられています。
実は外耳炎は「スイマーズイヤー」と呼ばれるほど、水泳と関連している症状でもあります。水泳によって外耳炎が引き起こされるケースとしては、たとえば、耳掃除などによって外耳道が傷ついている状態で不衛生な水の中を泳いだことにより、細菌が付着・繁殖して外耳炎を引き起こすことがあります。
また、プールでよく泳ぐ人も外耳炎になりやすいです。日常的に耳に水が溜まっていると、外耳道の皮膚が湿って柔らかくなり、細菌を培養しやすい状態になります。そしてこの状態で耳かきやイヤホンを入れたりすると、外耳道に傷がつき、外耳炎になってしまう可能性があるのです。
外耳炎の治療は、点耳薬(抗菌薬や副腎皮質ステロイド入りのものなど)によって行われるのが一般的です。ただし、点耳薬は正しい方法で使用しなければ効果が得られません。点耳薬を入れる際は、「事前に耳垢を除去しておく」「横たわって耳を上向きにし、点耳薬を入れやすい状態にする」「点耳薬が行き渡るよう5分ほど横になり、しばらく耳を引っ張ったり戻したりを繰り返す」といったポイントを守るようにしてください。
点耳薬治療のほかにも症状に応じて、耳の消毒や経口抗菌薬の処方が行われる場合もあります。
外耳炎を予防するために、以下のことに注意してください。
・耳掃除をしすぎない
汚れが気になるのであれば、綿棒で軽く拭き取る程度にしましょう。
・耳の中に水やシャンプーが入らないようにする
・水泳の際は耳まで覆うスイミングキャップをかぶるか、耳栓をする
・耳栓や補聴器、イヤホンなどを長時間つけない
「耳掃除が好き」「お風呂上がりにいつも耳掃除をする」という方は少なくないと思いますが、過度な耳掃除は外耳炎を引き起こすきっかけになり得ます。外耳道を傷つけないような、やさしい耳掃除を心がけましょう。