若年性パーキンソン病とは ~ 40歳以下で発症することもある ~

2017/9/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

若年性パーキンソン病は、アメリカが30歳ごろに発症したことでよく知られています。この若年性パーキンソン病について、一般のパーキンソン病との違いや原因、治療法について解説します。

若年性パーキンソン病とは


パーキンソン病は、手足のふるえが起こったり、動作が緩慢になったり、バランス感覚が悪くなったり、筋肉が硬くなったり、表情が乏しくなるなどの症状が現れる、自分の意思でうまく筋肉を動かすことができなくなる病気です。
基本的には、50歳~60歳代で発症しますが、40歳以下で発症する人もいます(まれに10代で発症する人もいます)。若年性パーキンソン病とは、40歳以下で発症するパーキンソン病のことです。

なお、10代、20代で若年性パーキンソン病を発症したからといって、健康な人と比べて寿命が短くなるわけではありません。これは普通のパーキンソン病を50代、60代で発症した人も同じです。
ただし、パーキンソン病の発症自体が短命化につながることはありませんが、合併症を発症した場合はこの限りではないため、合併症の予防は治療の必須事項となります。

若年性パーキンソン病の特徴


若年性パーキンソン病によくみられる特徴は以下のとおりです。

・遺伝による発症であることが多い
・無動や寡動といった動きが遅くなる症状が主で、手足の震えがあまりみられない
・通常のパーキンソン病と比べて、進行がとても遅い
・ジスキネジア(自分の意思とは無関係に体の部位が勝手に動く疾患)と呼ばれる不随意運動が現れやすい
・朝、起きてすぐや昼寝の後に、一時的に症状の改善がみられることがある
・パーキンソン病の四大症状は振戦(ふるえ)、筋固縮、無動、姿勢反射障害ですが、若年性パーキンソン病の場合、自律神経に関わる症状や精神症状が強く出やすい。たとえば、前者は多汗、頻尿、便秘、性機能障害、後者はうつ、摂食障害、依存症など

若年性パーキンソン病の原因


パーキンソン病に関しては、まだ根本的な原因はわかっていません。ただ、ドーパミン神経細胞の変性・減少や加齢、ストレスなどが関与していると考えられています。
若年性パーキンソン病は血縁者にパーキンソン病を発症している人が多くいるという症例がみられることから、発症要因に遺伝が強く関与していると推測されています。

若年性パーキンソン病の治療法


基本的に、若年性パーキンソン病は薬物治療となります。ドーパミン神経細胞が減少した状態となるため、ドーパミンを補うようにします。

若年性パーキンソン病は、作用時間が短いL-dopa(レボドパ)でも十分な効果がみられる場合もありますが、レボドパは効果が切れて動けなくなるウェアリングオフによりジスキネジアが起こりやすいといわれているため、ウェアリングオフやジスキネジアが起こりにくいドパミンアゴニストでの治療が主流になっています。

また、薬物療法と併せて、適度な運動やストレッチなどのリハビリを取り入れたり、生活習慣の改善をすることも重要と考えられています。

薬物療法で改善がみられない場合は、手術が検討されることもあります。手術で病気の進行が完全に止められるわけではありませんが、持続的な症状の改善がみられることも多いです。

 

おわりに:体に異変があれば、早めに医師の診察を受けよう

40歳以下で、近頃、つまずきやすくなった、安静時に手足が震えることがある、なんだか手足を動かしにくいなどの異変を感じたら、それは若年性パーキンソン病かもしれません。パーキンソン病は進行を遅らせることもできる病気です。早めに医師の診察を受けましょう。

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